伽座守珊瑚の開運『狼語り狐語り』第25話~狐眷族『長老』が語る、後輩眷族と将門の『縁』とは?~

長い戦国時代の歴史を滔滔と語る、狐眷族『長老』。後輩眷族である『甚六』、『ちゃ』、そして『グラウ』の三匹が気付かない、将門との不思議な縁について伝えます。

 

【 狐眷族『長老』。後輩眷族に将門との『縁』について語る…… 】

まあ、和魂は日本武尊様の双子の弟さまだから元が神様の前世ゆえ神様になって当然のお方なんだろうねぇ。

そこの仔猫も狐も狼も、妙見菩薩を頼みとした薬葉さんや正国さまに見込まれて将門さまをお守りした縁ゆえに、命のある将門さまのお姿を魂が知っている。だから今の魂の欠片が表象化した将門さまでは、人間が昇殿参拝するときみたいな覚悟でお参りし無い限り、お姿は認識できなくて当然なのさ。1000000倍に薄めた酒の利き酒をしているようなものだからねぇ。

あ。おまえさんたちは将門さまと同じで酒は苦手だったねぇ。
1000000倍に薄まっても地域の人々を守れる将門さまの霊威は、立派に古代ヤマトの呪詛の封印になっておられるよねぇ。将門さまにお会いしたければ神田明神(神田神社)に行けば《江戸を守る・東国を守る・縁あるすべての人々を守る将門さま》にお会いできる。鎧神社に行けば、《身内や近しい者に裏切られ、窮地に追い込まれた者を救う将門さま》にお会いできる。わかるかね。

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祀られている欠片(かけら)や物実(ものざね)、今だに従者として将門さまを守る御霊・祀る人々の祈りや理解に応じて、将門さまという幾千の引き出しから幾つかが開かれ、発動するお力が違ってくるのだねぇ。だからどこの将門さまも将門さまそのもので、《仏教で仏像に仏様に降りて頂く仕組みの真反対な相似》さ。聖観音さまはご本体は仏様の世界にお一方なのに、浅草観音・清水観音・・寺の数、仏像や札の数だけあちこちに観音さまとして存在出来て、必要とされる願いの違いや魂入れをした僧の力次第で個性が出る。でもどれも観世音菩薩様だねぇ。

呪詛で砕けても猫殿の魂がいつしかこうして元に戻りここにあるように、いつしか、あちこちに祀られた将門さまの魂のかけらの全てが一つに集うとすれば、それは祀られた数と年月の経験値を得て万能の守護を成す大神霊であろうねぇ。

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話は変わるが、三匹はこの夏急に将門さまとご縁があった過去の記憶を取り戻したからって、今の世界で将門さまに会えずとも、それが普通だねぇ。大規模な会社では、平社員ならずとも部長課長でもCEOに面と向かって会う事なんてそうは無いのと同じねぇ。眷族としてお仕えする神様にもそんなには会えぬだろ。

天狼グラウよ、おまえさんとて、三峯神社の伊奘諾・伊邪那美の神様に簡単に会えるわけではなかろう?。」

「晴明さまや薬葉さまには?会え無いのですか?」
『ちゃ』が、初めて長老に口をきいた。

長老はまたぷっと炎を吹くと答える
「会えているさ。天海僧正の中に、安倍晴明さまも薬葉殿もおられた。明智家の紋が桔梗なのは偶然ではない。」

祠の眷族たちがどよめいた。

 

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