〜人生を幸せに導く一つの言葉〜シンプルだけど見落としがちな「感謝」の習慣〜感情美人への道Vol.123

「ありがとう」は十分でない?

皆様こんにちは。
人間関係をより円滑に進めるため、また人生でより幸せを感じるために、感謝を表すことを習慣にしている方もたくさんいると思います。

ただ、『Thanks a Thousand : Gratitude Journey』の著者であるA.J.ジャコブス氏によると、「ありがとう」という言葉だけでは十分でないようです。
ジャコブス氏は心理学の専門家への取材を通し、より相手の心を揺さぶるフレーズを紹介しています。

それが「感謝しています」です。

 

「感謝しています」が持つ力

単に「どうも」とお礼を伝えるだけでもいい気もしますが、アメリカ心理学協会の調査によると、「私は感謝しています」というフレーズを使えば、多くのメリットがある事が分かっています。

実際、アダム・グラント氏とフランチェスカ・ギノ氏の実験では、基金集めを行う2つの集団に対し、1つ目の集団には基金集め運動の途中に全く感謝の意を伝えませんでしたが、2つ目の集団には「あなた方のご尽力に対し、心から感謝しています」と伝えた所、2つ目の集団の方が50%も多くの成果を収めたとの事。
感謝の表現が、基金集めをする人達のモチベーションをぐっと上げたのです。

「感謝しています」というフレーズは、人をポジティブな気分にし、ストレス状況も上手に切り抜けられるようになります。
日本語にすると「感謝しています」と口頭で言うのは少しハードルが高いように感じる場合もあるので、メールなどで「ありがとうございます」と書く代わりに、「感謝申し上げます」と書いてみてはいかがでしょうか。

 

なぜ、感謝する習慣を身につけなければいけないのか

「幸せは外からやって来るものではなく、自分の手のひらにある」というのは、誰でも何となく分かっていると思います。
でも、それを実感できている方はあまりいないのではないのでしょうか。

そんな方は、次の一文を胸に刻んで下さい。

「幸せは、感謝と結びついている」

そのためには、普段から喜びを感じる事・幸せを感じる事をスキップせずに、じっくり味わう習慣を作る事が大切です。
さらに、「人の幸せを祈る事」「人の幸せを感じる事」が、そのまま自分の幸せとつながっていると理解できると理想です。

感謝の習慣は項目をリストアップする事でも良いですし、「◯◯さんの幸せと幸運が、より大きくなりますように」と祈っても良いでしょう。
私達の脳には、「注意を向ける部分が鍛えられる」という特徴がありますので、感謝の習慣を作っている人は、より幸せを感じるのが上手になるのです。

 

感謝の習慣で、幸せとつながる

感謝は内側から湧いてきます。
そしてそれに気付けば「外が困難な状況でも、自分はいつでも幸せに触れられる」と感じる事ができます。

私がこの記事を書こうと思ったのは、今月が東日本大震災が起こった月だからです。
当時、私は宮城県で被災しました。
ライフラインが全て止まり、ろくな防災準備をしていなかった私と娘は、お隣のA家に2週間ほどお世話になりました。

震災から11日ほど経った頃です。
A家の奥様が蓋をしたお鍋をリビングに持って来て、「何が入ってると思う?」と満面の笑みで尋ねました。
私と娘が顔を見合わせていると、奥様はぱっと蓋を開けました。

中にあったのは、無色透明の「水」。
そう、ただの「水」です。

でも、私と娘は手を叩いて大喜びしました。
なぜならそれは「水道」から汲んだ水だったからです。
今まで寒空の下、何時間も給水に並んで汲んだ水ではなく、水道が復旧して出た水です。
他にも、震災後6日経って電気が復旧し、街灯がぼんやり点いた時は近所中から歓声が上がりました。

震災から8年経ち、私はこの時の感謝の感覚をすっかり忘れてしまっていました。
でも今回記事を書かせて頂くに当たり、色々な参考資料を当たる中で、「いかに自分が『日常の感謝すべき事』に盲目になっているか」痛感したのです。

幸せや喜びは内から涌き上がる物で、それは「感謝」という行いを通じて可能になる。

感謝を見過ごしてしまいがちな日々の中、この言葉をずっと心に留めてみて下さい。

 

参考資料:
https://www.cnbc.com/2019/01/24/saying-this-powerful-phrase-is-the-science-backed-secret-to-a-happy-relationship.html

 

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