エセスピリチュアリストから身を守るために知っておくべき事 〜 感情美人への道Vol.122

2018年12月、ブラジルで「神のジョアン」と呼ばれ世界的に有名な自称霊媒師、ジョアン・テイシェーラ・ジ・ファリア(77)が、性的虐待等で告発されました。
被害に遭った女性は、250人を越えると言われています。

今回は、「被害者の女性がなぜジョアンに依存してしまったのか」に焦点を当て、私達を搾取しようとする人から、自身の身を守るにはどうすれば良いか考えたいと思います。

 

なぜ女性達は彼に近付いてしまったのか

卑劣で残忍な手口はもちろん許されるべきではありませんが、ごく普通の感覚を持つ人なら「なぜこんな胡散臭い男に若い女性が近付いてしまったのか」理解に苦しむでしょう。
でも、あなたが「理解できない」と感じているなら、それはあなた自身が親から愛されて育ち、今ある程度満たされた生活を送れているからかもしれません。

 

被害女性達は愛着形成がうまくできなかった可能性も

愛着とは、人と人とを結ぶ絆のことです。
この絆を結ぶ力は生後6ヶ月から1才半くらいまでの間に、特定のひとりと(母親など。血縁は特に関係なし)安定した信頼関係を築く事で育って行きます。
5才くらいまでも愛着形成にはとても敏感な時期になり、この期間にありのままの自分を受け入れてくれる存在と、見えない特別な絆を作る事がとても大切です。

人が幸せに生きて行く上で最も大切なのは安定した人間関係ですが、子どもの時期に愛着が深刻なダメージを受けると、愛着を全く求めようとしなくなったり、逆に見境なく誰にでも愛着したりするようになります。

例えば、親から否定的な扱いや評価を受けて育つと、「不安型・捕われ型」と呼ばれる愛着タイプを持つ可能性があります。
そうすると距離を取るべき関係においてもすぐプライベートな距離まで縮まってしまい、すぐに恋愛関係や肉体関係を持ってしまう場合があり、相手に依存してしまう傾向があります。

 

自分の存在を受け入れてくれる人に依存してしまう

愛着形成が不安定な人は、「私はありのままの自分で価値がある」という「自尊感情」もとても低くなります。
自尊感情が低い人は、自分の評価を他人に委ねてしまいます。
誰かが優しい言葉をかけてくれれば、それが嘘でも依存してしまうのです。

また愛着形成に特に問題がなくても、「生きるか死ぬか」という問題に直面し、医者から見捨てられたような言葉を言われれば、誰でも優しく接してくれる胡散臭い民間療法にすがりたくなってしまうでしょう。

 

私達は、自分が見たい情報しか見えない

ここで、とても大事な話をします。
私達が認識している現実は、全て「自分が見たい」と思う現実なのです。
その一つが「情報の知覚性」にあります。
私達は、1秒あたり900万ビットという膨大な量の情報を、視神経を通じて脳に送り込んでいます(ちなみにアルファベット26文字はわずか5ビットです)。
その中で、実際に認識できるのは40ビット(アルファベットにすれば約200字)と言われています。

つまり、私達は身の回りの全ての情報の99.9…%を見落としているのです。
そこで知覚できるごくわずかな0.0…1%の情報は、「自分が欲している情報」となります。
ですので、私の立場から申し上げると、「ノートに書くと夢が叶う」というのはスピリチュアルでも何でもなく、情報の知覚性の的を絞り、「自己成就予言(そうなると予言した事が実際に起きるという現象)」の結果に他なりません。

 

なぜ周りの意見が聞けなくなるのか?

自分の視野が狭くなってしまった時、まっとうな場所に戻してくれるのは周りの人の合理的なアドバイスです。
ただ、その時に邪魔をするのが「左脳」です。
左脳は自分が信じる答えに辿り着くため、明らかな矛盾に直面しても、適当なストーリーをでっちあげて、全体を一つのストーリーとして仕上げてしまうのです。
脳は空白を埋めようとします。
曖昧な部分は、自分の価値観・今までの経験を踏まえてもっともそうなシナリオを作ってしまうのです。

 

本物と偽物を見分けるために

皆さんが「この人の言っている事・行っている治療は本物だろうか?」と思ったら、「再現性」があるかどうかを徹底的に調べて下さい。

まっとうな治療は必ず「統計」があり、そのベースには「論文」があります。
確かにガンの標準治療ひとつとっても、誰にでも100%同じ効果が出る訳ではありません。
しかし、標準偏差の平均からどの範囲にどの位の割合が入っているかなど、信頼できる治療には必ず「数字」という裏付けがあります。

自分に自信がなくなった時、命に関わるような大病をした時は、誰でも弱くなります。
そこで何か見えないものに頼りたくなる気持ちが湧き起こるのは当然ですが、その弱さにつけこむ人達がいる事も忘れてはいけません。
そんな時こそひと呼吸置いて周りを見渡し、「再現性があるか」確認しましょう。

 

(参考文献)
『フューチャー・オブ・マインド』ミチオ・カク NHK出版
『教養としての認知科学』鈴木宏昭 東京大学出版会
『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田尊司 光文社

 

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