瞑想で自分の中にある叡智を見つける〜感情美人への道Vol.94

皆様こんにちは。感情美人デザイナーの柊です。 最近、日本でもマインドフルネスが大分知られるようになりましたね。

今は米国から「逆輸入」された形で広まっているマインドフルネスですが、元をたどると、3000年程前にインドの聖人たちが意識し出したと言われています。

そしてマインドフルネスの力に本当の意味で注目したのは、ゴータマ・シッダールタ(BC 5世紀前後)です。
彼はこんな言葉を残しています。「過去と未来を手放し、愛情や悲嘆を乗り越え、あらゆる執着や憂慮を捨て去り、今ここに、揺るぎない心の自由を呼び覚ますためには、念(マインドフルネス)による心の明晰さを築かなければならない」。

ここで言う【明晰さ】とは、「物事を曇りのない目でみること」です。

 

そして「マインドフルネス」とは、心を曇りのない状態に近付けること。

心に涌き上がる事や自分の体験を、評価や判断せずにそのまま眺め、受け入れることです。
それを実践するための方法が、瞑想になります。
過去の怒り・不満に囚われず、未来の不安に囚われることなく、この瞬間に根を張り、悩むことをやめる選択でもあります。

でも「今」に意識を向けるのは、簡単ではありません。
ハーバード大学の調査によると、一日のうち過去や未来に意識が飛んでいるのは47%にもなります。
人生の約半分、私たちは「今」にいないのです。
言葉を変えると、マインドフルネスは「私たちが既にいるここに、どうやったら意識を向けられるのか」の練習でもありますね。

 

「マインドフルネス瞑想」は色々なやり方・方法があります。

ただ一点、強調したい点があります。
それは実践する際に、宗教やスピリチュアルということは一切気にしなくてよいという点です。
誤解している方が多いのですが、マインドフルネスの目的は悟りを開くことでも、心を無にすることでもありません。
ただ、涌き上がる感情が流れ込むスペースを心の中に作り、そして見送る。
このプロセスを繰り返し、いろいろなことに「反応しない心」の状態を作るのです。
そうすることで、人生で行く手を阻む困難と付き合う方法を学び、自分の人生を上手に管理する力を身につけていきます。

今日は、瞑想の基本の解説をちょっと飛ばしまして(理論はいずれご紹介しますね……)、スピリチュアル好きのTrinity読者さんにも楽しんでもらえるような瞑想を紹介しましょう。
もちろん、アンチスピの方でもトライして頂けるものですよ。
「自分の中の叡智に気付く」ことを体感できる瞑想です。

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【方法】

楽な姿勢で背骨を真っすぐにして座り、呼吸を落ち着けます。
目は軽く閉じましょう。
自分が吸った息が鼻孔を通り、気道を通ってお腹が膨らむのを感じましょう。
一回一回の呼吸のプロセスを、丁寧に観察します。
この状態を、数分間味わって下さい。

しばらくしたら、自分にとってのメンターを誰か思い浮かべます。
ダライ・ラマでも、高校時代の先生でもOKです。

そしてその人が、あなたに「何か文字を書かれた紙」を渡してくれる
もしくは
「何か語りかけてくれる」様子をイメージして下さい。

その言葉はなんでしょうか?
渡してくれた紙には何と書いてありましたか?

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この瞑想にトライしても、半分くらいの方は、「何も思い浮かばない」のですが、それでもがっかりしないで下さい。
瞑想の本質は、他の誰かになることや、外に幸せを求めていくのではありません。
本来の自分になり(私たちは自分以外になれません)、自分の中に幸せを見つけ、気付かない叡智に触れる作業でもあります。

私がこの瞑想を行ったときは、高校時代留学していたホストマザーが出てきました。
彼女は私の言葉にいつも真摯に耳を傾けてくれて、とても優しくて、とても美しい女性です。

そして私に向かって「未来は希望に満ちあふれているよ」
と言ってくれました。

しかし、現実の私はいつもそんなふうに考えられていません……。
シングルマザーですし、大変なことや心配なこと、辛いことは、たくさんあります!
でも、彼女は「未来は希望に満ちあふれている」と言ってくれたんですね。
で、ここで言う彼女というのは、つまり「自分」でもある訳です。
自分で気付いていない自分の心のどこかで感じていることが、瞑想を通して顕在意識にのぼってくるのかもしれません。

瞑想を行うときは、「目的意識」が障害になったりします。
なぜなら、瞑想の本質をつきつめると「何もしないこと」になるからです。
ですので、効果が実感できないとすぐやめてしまう方もいますが、今回紹介した瞑想は、誰でもすぐに気付きを得られる楽しい瞑想なので、ぜひトライしてみて下さいね。

瞑想の脳科学的な効能なども、そのうちご紹介できればと思います。

参考文献
『マインドフルネスストレス低減法』J・カバットジン 北大路書房
UCLA MAPSⅡ Next Steps

 

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