あなたはお酒で女性も男性も妊娠力が下がってしまうことがあるのを知っていますか?
「妊娠のためにいい食べ物はなんだろう」と勉強する女性は多いですが、
いくら食事に気を使っていても、
「お酒が好きでやめられない……」と、お酒を飲む量が多いと男女ともに妊娠力を下げてしまい、まわりでは妊娠の話を聞くのに、「自分はなかなか妊娠できない……」と、悲しい思いをしてしまいます。
何年も妊娠できないとお金を何十万円、何百万円とかけてしまうこともあり、心身ともに疲れてしまうことにも。
「妊娠にいい食べ物」を知ることも大事ですが、「妊娠力を下げるものはなるべく食べたり飲んだりしない」ことも、妊娠しやすい体づくりには大事なことです。
お酒で亜鉛不足になると赤ちゃんになる卵子が育ちにくくなって生理にも影響が!
お酒を飲むと、体に必要な亜鉛という栄養素が使われてしまい、亜鉛不足になりやすくなります。
亜鉛は女性ホルモンがはたらくのに必要な栄養素ですので、お酒を飲む量が多くて亜鉛不足になると、女性ホルモンのはたらきが弱まってしまって生理がちゃんとこなくなる生理不順や、妊娠のときに必要な卵子が育ちにくくなってしまい、不妊にもつながることがあるのです。
あなたは毎日お酒を飲みますか?
お酒を飲むときはどれくらい飲みますか?
1日1杯くらいのお酒の量ならまだしも、1日に何杯もお酒を飲んだり、1週間にビール瓶2本分の量を飲んでしまうのは妊娠にはよくない量です。
妊娠中に禁酒をするのは当然ですが、ふだんからお酒を飲んでいる場合、お酒の成分はすぐに体から抜けるものではないので、
妊娠を希望するならできればお酒をやめるようにするか、
お酒を飲まないことでストレスがたまるようなら、なるべくお酒を飲む量を減らしていくほうが妊娠力を下げずにすみます。
お酒に注意をしたほうがいいのは女性だけではなく男性も同じです。
男性の精子は亜鉛不足で数が減ったり、動きが悪くなったりして男性不妊に!
亜鉛は、男性の精子を作るときに必要な栄養素です。
さらには、お酒の飲み過ぎで亜鉛不足になると精子の動きも悪くなります。
せっかく女性側に妊娠力があったとしても、男性の精子の動きが悪いと、子宮まで精子が到達できずになかなか妊娠できなくなる男性不妊にもなりかねません。
妊娠を希望するなら、男性も亜鉛不足になりやすいお酒を飲む量には注意が必要なのです。
お酒は体外受精にも影響して妊娠力が下がってしまう!
ハーバード大学医学部の研究チームの論文では、体外受精をしているカップルのお酒の量を調査している結果があります。
◎1週間に50g以上のお酒をのむ女性は、50g未満の女性に比べて、体外受精をしても出産する確率が16%も低い
◎男性も女性も1週間に50g以上のお酒を飲むカップルは、50g未満しか飲まないカップルに比べて、体外受精をしても出産する確率は21%低く、受精率は48%低い。
※50gは、ビールでおよそ大ビン2本分、ワインで4~5杯
この調査結果でわかることは、1週間でお酒を飲む量が男女とも多いと体外受精をしても出産できるところまでいかずに流産などになる確率が高くなってしまうということです。
お酒は体外受精にも影響してしまうのですから、男女ともにいかに妊娠力を下げてしまうかわかりますよね。
産婦人科の先生は、
「妊娠を希望する場合、お酒をよく飲む人はお酒の成分がすぐに体から抜けるわけではないので、妊娠を希望する1年前からお酒の量を減らすか、禁酒できるなら禁酒したほうがいい」
と話しています。
ただ、お酒をのむことでストレス解消になっているようなときは、ムリに禁酒をするとストレスになって、そのストレスが妊娠に悪影響になることもあるので、妊娠前からの禁酒が難しい場合は少しでもいいのでお酒を飲む量を減らしていくのが望ましいと話しています。
女性だけではなく男性も同じです。
男性は付き合いでお酒を飲むことも多いと思いますが、夫婦二人で子どもを希望して妊娠に取り組むのであれば、お酒を飲む量について話し合って、付き合いで飲むことが多い場合は家で飲む量は減らしたほうがいいでしょう。
お酒の量を見直して、夫婦二人で妊娠力を上がったらうれしくありませんか?
参考文献
桜井明弘著:あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由
中村はるね/清水真弓著:先生!私は妊娠できますか?
《保健師めぐみの生理のお悩みブログはこちら》
http://ameblo.jp/kenkostylist/
《保健師 めぐみさんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/nurse%EF%BD%B0megumi/?c=113328