『サルでもわかるハリィー先生とトリ子さんのアヴァンギャルドな東洋医学講座』 第10話~ミトコンドリアとヒトの深い絆について~

まさに糸が連なってウネウネと動くネットワーク構造こそがミトコンドリアの真の姿だったんです。

『ハリィー先生とトリ子さんのサルでもわかるイントロ談義』

ハリィー先生(以下 ハ)
「唐突だけど、トリ子さんはミトコンドリアって、なんのことか知ってる?」

トリ子さん(以下 ト)
「えっ、水戸のご老公? 水戸黄門のことかしら?」

「うっ、ナイスなボケで、寒ーでやんす(笑)ダハハ、たしかに響きは水戸黄門にちょっと似てるけど、ミトはギリシャ語で糸を意味するんだよ」

「へぇ~、ミトは糸なのね! それじゃあ、コンドリアは?」

「うん、コンドリアは粒を意味するんだね。だから糸と粒を合わせて糸粒体(しりゅうたい)という直訳の呼び方もミトコンドリアにはある。でもあんまり今はこの糸粒体という言い方は聞かないね」

「マジメなはなし、ミトコンドリアはたしか細胞のなかの生き物じゃなかったっけ?」

「おっ、トリ子さん、よく知ってるじゃない! その通りでヒトを含む多細胞の大きめのよく目につく地球上の生き物のすべての身体のなか、細胞のなかにくまなく棲み着いている共生体がミトコンドリアなんだね」

「それで、そのミトコンドリアの役割って、いったい何なの?」

「うん、今回の話のキモはその辺りなんだけど、これ話しだすと止まらなくなりそうで(笑)」

「ウフフ、ハリィー先生がミトコンドリア・フリークってのはブログ読者や、わたしみたいな治療院の常連さんはみんな知ってるから、どれだけミトコンドリアの話が長くなってもついていくわよ」

「ダハハ、嬉しいひとこと。では、少しづつ『ミトコンドリアとヒトの深い絆について』の核心に迫っていきましょう」

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『ミトコンドリアとヒトの深い絆について』

「まず、トリ子さんがミトコンドリアと聞いてイメージする絵は、たぶん生物の教科書に掲載されている細胞を半分にスライスしたあの絵のなかに描かれているミトコンドリアだよね?」

「うん、なんかイモムシみたいな楕円形の粒の中身が櫛状(くしじょう)になっていて、それが細胞質のそこかしこに浮いている、というあの教科書のイメージがわたしのミトコンドリア像だわ」

「でも、あのイメージは、実はミトコンドリアの本当の姿ではないんだよ」

「えっ、どういうこと?」

「つまりさっきも言ったけどミトコンドリアというギリシャ語のミトは糸を意味するっていうアレね。ミトコンドリアは通常は糸状にみんなくっついて、つながっているんだよ」

「へぇ~、それじゃあ、糸粒体(しりゅうたい)じゃなくて、糸重体(しじゅうたい)とか、糸連体(しれんたい)が正しい漢字イメージなのね」

「そう、さらに言えば糸流体(しりゅうたい)という漢字を当てた方がシックリ来るね」