私たちの命を司る水〜極限状態で安全に摂取する方法とは?

日本は災害にあいやすい国ですので、いつ自分が当事者となるのかわかりません。そういったときには、このようなちょっといた知識が生死を左右することになりかねませんので、日頃から様々な知識を蓄積し、さらに「心構え」をしっかりとしておくといいでしょう。

【人間は水がなければ1週間以上生きられない】

私たち人間の身体は、成人の場合、「約6割が水分」で構成されています。それだけに体内から水分が失われると、たやすく「命の危機」を迎えてしまいます。人間は水分さえ補給していれば、固形物を食べなくても1ヶ月近く生存することが可能ですが、完全に水分の補給をしない場合、通常、「1週間以上生存することは難しい」といわれています。

もちろんこれには例外もあり、「千日回峰行」という比叡山に伝わる荒行の最後に、「水すら飲まずに、9日間真言を唱え続ける」というものがあり、過去から行われているだけでなく、2015年にもこの荒行を達成した人がいますので、前もってコンディションを整えておき、強い精神力があれば1週間を越える事も可能ではあるわけですが、一般的には「3日間水を飲まないだけでも、脱水症状によって不調を覚える可能性が高い」ものです。

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【水の重要性感じていますか?】

それほど「生存のために重要な水」ですが、その重要性にあまり気がついていない人も多いのではないでしょうか? 日本は世界でも類を見ないほどに「上下水道が完備」されており、安価で安全な水を蛇口をひねるだけで手に入れることが可能です。自動販売機やコンビニエンスストアなどでも「24時間ミネラルウォーターが販売」されており、いつでも手軽に購入出来るために、「日常生活の中で水不足を実感することはまずない」といえるでしょう。

そもそも、日本は「比較的水資源が豊富」であり、全国各地にわき水もありますので、今後世界的な問題になるであろう、水資源不足についてはかなり恵まれた環境であるといえます。しかしながら、その一方で、日本は「地震国であり、台風などの害も受けやすい国」でもあります。日常では不足することのない水が、そういった「災害の場合にはいきなり不足してしまう」わけです。

 

【普段が満たされているからこそ、危機に弱い】

常日頃から不足している地域ならば、ある程度慣れていて対応することも可能でしょうし、水の蓄えもあるかもしれませんが、簡単に水が供給されていた状態から、いきなり水不足になると、どうしてもパニックを起こしがちです。前述したように水というのは、人体にとって必須のものですので、なんとしてでも「確保しておく必要」があります。

だからといって、どんな水でもいいというわけではありません。確かに、水分の補給は重要ですが、「細菌やウィルスが発生しているような水」を摂取すると、下痢などでより脱水症状を悪化させたり、最悪の場合には「死を招く」ことすらあります。

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【震災では水不足だけでなく、衛生面にも注意が必要】

4月に発生した熊本地震では、ライフラインが分断され水が出なくなったり、出たとしても濁っていたりして飲用には適しないものとなっていたこともあり、水の確保はかなり厳しいものでした。また、飲用でなくとも手洗い用の水などにウィルスが混入したことで、「ノロウィルスやインフルエンザウイルスが避難所で蔓延する」というケースも発生したのです。