自分以外はみんな敵? ~そこまで白黒させなくても人間関係は大丈夫~

握手以外にも比較的簡単にできるのは、自分から挨拶をする。
自分から世間話を振る、自分から自己開示をする、という感じで、小さな行動を繰り返せば良いのです。

そうしているうちに、相手もあなたのことを「敵ではなさそうだな……」と徐々に思ってくれると思います。
仮にそれが社交辞令であろうとも、無視されるより良いですよね。
あからさまに無視されるとそれこそ敵意や悪意を感じてしまいますから。

もうすこし慣れてきたら、自分から相手が喜ぶことをしてあげると良いです。
これは大きなことではなくて些細なことで大丈夫です。
媚びなさいということではありませんからね。
媚びだと、相手にへりくだって卑屈になっているだけだと思うのでお勧めしません。

自分自身が周囲を敵と思っているなら、他人だってあなたのことを敵だと勘違いしている可能性だってある開けですよね。
だったら、まずはその誤解を解くこと。
これが大事なのです。

とはいえやっぱり相性ってあるので、全員と仲良しになる必要もまたありません。
仲良しになれれば嬉しいですが、敵じゃないとわかれば、つかず離れずでもとりあえず良いではありませんか。
襲ってこない訳ですから。

たぶん、多くの人が「敵じゃないなら私に親切にしてくれたっていいじゃない? そうすれば、私だってその人に親切にしたいと思えるかもしれないじゃない?」と思っていると思います。
でも、キツイ事を言いますが、それがいちばんの間違えなのです。

だって、みんながそう思っていて受身の姿勢で待っていたら殆どの確率で優しくされたり、丁寧に接してくれたりなんてありませんよ。
でも、文句言えませんよね。
自分も相手に何もしてないのですから。

「優しくしてくれたから、優しくしてあげよう」とかではなくて、まずは自分から相手に少しでも良い気分になって貰えるように意識するのです。
それがコミュニケーション最大の武器です。

「どうせ私が親切にしたところで、恩を仇で返されたり、お礼されなかったりするに違いないからムダに決まってるわ……」という人も多いです。
でも、それも違いますからね。
もしかしたら、感謝の気持ちが足りない人も、それはいると思いますよ。
いろいろな人がいますから。

そもそも自分の気持ちが相手に伝わることが奇跡なのです。
自分の気持ちや意見を相手が率先して理解してくれるなんていうほど世界は甘くないのです。

通じなくて当たり前。
理解されなくて当たり前。

でも、悲観的になるのではなく、私たちは相手は自分から相手を理解しようとし、そして自分は敵ではないと示し、なおかつ、私はあなたの味方だよというアプローチ(つまりGIVEの精神と行動)をするのです。

それで、どうしても相性が悪いなと思えば、ちょっとずつ距離を置いて行けば良いわけですし、親しくなれそうなら、親しくなれば良いのです。

 

十人十色

人間は十人十色です。
みんながみんな自分と同じ価値観とは限りません。
一部共感できても、すべて共感できるわけではありません。
そういうものなのです。
場合によってはまったく共感できない人もいるかもしれません。
だとしても、その人が自分に不利益な何かをしてこなければ敵と決めつけてかかる必要はないのです。
優しくしてくれたくても嫌がらせをされたわけではなければ敵ではないかもしれないのです。
無害なら、それで良いのです。
本当に危険だと感じたら逃げれば良いのです。

そして、問題は自分が誰に対してどんな関係になりたいか、です。
それが見えてきたら、敵ではないことを証明し、めんどくさがらないで礼儀正しく相手を気分よくさせ続ければ良いのです。
それを繰り返しているうちに、だんだん人間関係に慣れてきますからね。

 

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