悩んでいるのは「あなた」ですよね?
極端な話ですが、お母様がウツであろうと、興味も関心もない人もいると思います。
そういう人はお母様が悩んでいても気にならないのです。
さすがにそれはちょっと薄情だと思います。
でも、心配しているなり迷惑を被っているなりして悩んでいる人がいるとするならばそれは誰なのか、という話なのです。
自分自身が悩んでいるからこそ、わざわざカウンセラーやセラピストに相談しているのです。
だから「誰が悩んでいるのか?」はものすごく重要なのです。
「お母さんにカウンセリングを受けて貰いたくて悩んでいるんです」という悩みだったら、その悩みの主はお母様ではなく御自身なのです。
「ウツの人とどう接して良いかわからなくて苦しいんです……」というのも、御自身の悩みなのです。
誰が悩んでいて、誰の問題を解決したいのかは明確にした方が良いです。
場合によってはグループカウンセリングという選択肢が出てくる可能性だってあるのですから。
これは病気に限ったことではありません。
「会社が不況なのか不穏な空気が漂っているんです」というような問題も同じです。
それはそれで本当なのかもしれませんが、会社が不況だろうと、給料が支払われなかったり、問題が起きたのでなければ悩んだって仕方が無いのです。
もし会社が本当に心配なら優秀なコンサルタントを探して上司に掛け合うなり、自分なりに知恵を絞って貢献すれば良いのです。
話を聞いてくれないようなら、所詮それまでの会社なのだと割り切った方が良いです。
もし自分が重役で会社と一心同体であるというのなら、少し違うかもしれませんが、仮に何の発言権もない立場なら、ジタバタしてもなおさらどうにもなりません。
この場合は「会社に不穏な空気が流れていて悩んでいるのは誰かのか?」という点を明確にした方が良いです。
もし、今より良い条件の会社からスカウトが来ていたらどうでしょうか。
もしかしたら「辞めるのには持って来いのタイミングだ!」と喜ぶかもしれませんよね。
だとしたら会社の偉い人たちが悩んでいようと知ったことではないと思うのです。
これは薄情者かどうかという問題ではありません。
善悪の問題でもありません。
カウンセラーやセラピストは基本的にクライエントの味方です。
クライエントにとっての最善の方向性を一緒に考えるのが仕事です。
だから、第三者のことはわからないのです。
変な話ですが「あ、そうか。悩んでいたのは実は私だったのか……」とわかってスッキリする人もいるのです。
だって、それがわかるということは他人を無理にコントロールするのではなく、自分の心と向き合えばおのずと道が見えてくるとわかるからです。
自分と他人の境界線、しっかり、分ける習慣をつけてみて下さい。
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