『梅雨だる』とは
梅雨入りの時期を迎えると、身体の不調を感じることが多くなります。
多くの方が頭痛や肩こり、なんとなく寝つきが悪い、倦怠感があるなど、何かしらの不調に悩まされています。これらの不調は気象病の一種である『梅雨だる』の症状かもしれません。
この時期は雨による湿度の高まりや低気圧の影響などにより、体調を崩しやすくなります。
また気温の上昇と共に朝晩の寒暖差もありますので、体温調節が難しくなります。
梅雨の体調不良によるストレスで、どうにもやる気が出なくなったり、不安を感じることが多くなったりするなど、メンタルに影響することもあります。
梅雨は春から夏に移行する過程です。『梅雨だる』を引きずってしまうと、『夏バテ』に繋がっていく恐れがあるため、不調を感じたら即座に対策することが大切です。
この時期は普段以上に体調管理に気をつけましょう。
『梅雨だる』の原因は低気圧の影響による自律神経の乱れ
梅雨は低気圧の影響で自律神経が乱れやすくなり、『梅雨だる』の症状が出やすくなります。
自律神経は、日中に交感神経(活発・緊張モード)が優位になり、夕方から夜間にかけて副交感神経(休息・リラックスモード)が優位になるのが基本のリズムです。
しかし梅雨の時期は副交感神経(休息・リラックスモード)が優位になりがちなので、その影響で身体のダルさや、やる気が出ないと感じやすくなるのです。
本来の自律神経のリズムを取り戻すため、最も大切なのは規則正しい生活習慣を心掛けることです。体内時計を整えるため、朝に起きて太陽の光を浴びるようにしましょう。ついつい夜更かししてしまうこともありますが、健康のためにも夜更かしは禁物ですよ。
夜更かしばかりしていると、夜なのに交感神経(活発・緊張モード)が優位になってしまい、眠れなくなってしまいます。
自律神経を本来のリズムに戻すため、朝は太陽の光を浴びるようにしましょう。
朝起きて日中に適度な活動することで、交感神経が本来のリズムに戻っていき、夜間は副交感神経にスムーズに切り替えられていきます。
そうすれば、夜は寝つきが良くなるため、睡眠の質が上がり免疫力も高まっていくのです。
7時間は睡眠時間を確保して、しっかり眠ることを心掛けるようにしてください。
寝る前に、ぬるめのお風呂に入ってリラックスすることで副交感神経を優位にすることができます。ぬるめのお湯(38℃から40℃くらい)に15分ほど、ゆっくり浸かってみてください。
さらに、夜は交感神経を刺激しないためにも、パソコンやスマホなどの電子機器の使用やカフェインの摂り過ぎなどは控えるようにしてください。
当たり前のことではありますが、自律神経のバランスを整えるうえで、規則正しい生活習慣を心掛けることは最も大切なことです。
梅雨の時期は普段以上に意識するようにしてくださいね。
『湿邪』の影響も『梅雨だる』の原因
東洋医学では、余分な湿気が人間の身体に悪影響を与えるという考え方があります。このように人間の身体に悪影響を与える湿気を『湿邪』と呼ばれています。文字通り、邪魔な湿気が体内に取り込まれることで体調不良を起こしやすくなるのです。
基本的に人間の身体は、環境に適応して体調などをキープすることができるそうです。
しかし、梅雨の場合は少々厄介で、余分な湿気の影響で身体の中の水分調整が狂ってしまうそうです。塗れたスポンジが余分な水分でどんどん重くなっていくように、私たち人間の身体も不要な水分を上手く排出できないと身体が重く感じるようになるのです。
そして、どんどん膨張して、ひんやりしていくスポンジのように、身体がむくみやすくなったり、冷えやすくなったりするのです。冷えの影響で血の巡りが悪くなり、肩こりや頭痛を起こしやすくなるため、梅雨の時期は身体を冷やさないようにしましょう。
蒸し暑い時期ではありますが、室温を下げ過ぎないよう気をつけてください。室外と室内の温度差が激しいと、自律神経の乱れ方も増し、身体の痛みが生じやすくなります。冷やすよりも除湿するようにして、温度差は5度以内を保つようにしてみてください。この時期は上着を準備しておくことをオススメします。
また冷たいものを摂りすぎないよう注意して、なるべく温かいものを選んでください。
胃腸の調子を崩しやすい時期なので、甘いものや油っぽいものも控えるようにして、食べ過ぎや飲み過ぎにも気をつけてください。
体調がスッキリしないと心にも影響します。適度に身体を動かすのも良い気分転換になりますよ。とはいえ、無理に運動する必要はありませんよ。軽く身体を温めて、汗をかく程度でOKです。お散歩したり、軽くストレッチするなど、自分の出来る範囲で無理なくやってみてくださいね。
不調を感じたら休むこと
『梅雨だる』を引きずってしまうと、『夏バテ』に繋がっていく恐れがあるため、少しでも不調を感じたら無理をせず休むようにしましょう。体調不良になりやすい時期ではありますが、自分を労わってあげましょう。症状によっては、梅雨が原因ではない場合もあります。
気になる症状がある場合は信頼できる医療機関などに相談してみてくださいね。
『梅雨だる』に負けず、健やかな心と身体で過ごせますように。
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