こんにちは。生き物好き&占い好きな気象予報士・理科教員の金子大輔です。
いよいよ四月に入り、生活スタイルがガラリと変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
前回の前編では、いささかネガティブなお話が多かったので、今度はポジティブで元気が出るお話をしてみたいと思います。
では、進学・就職・転職・異動などで環境が変わる方々へ。
教員より「はなむけ」的なメッセージ~後編です。
●たとえ「社会」に貢献できなくても気にしないで
「社会に貢献できる人になりたい」、そう話す若者は多く、頼もしく感じます。社会に貢献できるのはすばらしい才能です。
ただ、人間は社会の奴隷として作られたロボットではありません。仮に、なかなか貢献できなくても気にしなくていいのではないでしょうか。そして、いっそ「地球貢献」「宇宙貢献」を目指してみるとよいと思います。
省エネを心がけたり、物を大切に扱ったり、庭にハチを営巣させてやったりするのは立派な地球貢献です。地球貢献は、才能に関係なく誰でもできます。社会貢献にハードルの高さを感じたら、まず地球貢献から始めてみてはいかがでしょうか。
●今までのクラス、集団で過ごした奇跡
だいたい平均寿命くらい生きると約25億秒です。人生25億秒、地球人口は75億人です。
仮に、不眠不休で1秒に1人ずつ会っても全員には会えないのです。
そんな中、何ケ月も何年も同じ空間で過ごしたということは、ものすごい奇跡だとわかりますね。
これまでご縁の会った奇跡の人たちを忘れないでいたいものです。
●「断捨離」は厳禁!
前回の記事で、勉強をお勧めすることを書きましたが、わかりやすいように学生に例えてお話を進めます。たくさんの科目を学ぶのは大変ですが、「事務員になるから物理なんて関係ない」「ミュージシャンになるつもりはないから音楽なんて勉強しても意味がない」と思うのは禁物です。
人生のどこでどの科目が役に立つかなんてわかりません。
例えば東野圭吾さんは、作家でありながら理系に精通しているので、独特の味があるミステリーが書けるのです。私自身も、理系でありながら国語が大好きだったので、本や記事を書く仕事ができているのです。
1億年生きるつもりでもない限り、脳がいっぱいになる心配はありません。なんでもかんでも貪欲に頭に入れてしまうと、視野が広くなり、人間性も向上して人生が楽しくなります。
勉強に「断捨離」は厳禁です。
●人生なんていつでもどうにでもなる!
これも私自身の経験ですが、正社員だったときは本当に辛くて、「こんなのが何十年も続くくらいだったら、死んでしまったほうがマシだ」と思ったりしたものでした。
やがて、非常勤で半フリーにいろいろな仕事を掛け持つ、という生き方を見つけ、気象会社、プログラマ、博物館、大学の研究員……と転々としてきましたが、なんとか無事に生きています。
人生なんていつどうなるかわかりません。マイナスの出来事さえも吸収して、自らの血や肉としてしまう強さが大切です。
●気が済むまで失敗しよう
ガンジーの言葉でFreedom is not worth having if it does not include the freedom to make mistakes.というのがあります。
「失敗する自由を含まないのならば、自由を持つ価値はない」という意味です。
日本人は他人の失敗に不寛容です。「同じ失敗を二度繰り返すな」などと言う人が多いです。
しかしガンジーの言うとおり、百回でも一万回でも納得がいくまで失敗を繰り返せばいいのではないでしょうか。アメリカのドナルド・トランプ元大統領も、破産した回数が4回とも6回とも言われています。
失敗は敗北ではありません。
「失敗するのが怖い」と思ったら負けではないでしょうか。
ということで今回は、生徒によく話すはなむけ的なお話を、一般の方向けにアレンジしてお話してみました。
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