アーユルヴェーダで使われてきたハーブたち~万能伝統ハーブ・トリファラの肌美容効果~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.69

肌が脂性質のカファ肌をもつ人たちは、不純物を磁石のように引き寄せてしまうのが特徴で、肌の毒素は常に悩みの種……。 内側と外側からの両方から洗浄しなければ、カファ肌は簡単に毒素に覆われてしまうことになりがちです。

さて、ここのところ数回にわたり、アーユルヴェーダ伝統ハーブのひとつトリファラについて、胃腸を強化する効能や痩せる効果などについてお伝えしてきましたが、今回は、外見の美醜をかなり左右するともいえるお肌の美容に、トリファラがどのような効果を発揮してくれるのかについて見てみましょう。

アーユルヴェーダによれば、肌の健康状態全般は、私たちの消化系がどれだけきちんと機能しているかどうかに大きく関わっています。

このため、胃腸関連に効くハーブはどれも、肌の美容にとっても優れた食べ物のひとつと見なされています。
「胃腸が健康=肌もキレイ」の図式ですね。

トリファラのように胃腸の健康に役立つハーブがもたらす胃腸洗浄作用は、体から水分を奪うことがなく、栄養分も含まれているので、肌や髪にとっても素晴らしい強壮剤になります。

また、トリファラのいいところは、トリドーシャ的(ヴァータ、ピッタ、カファの質が同量ずつ、バランスよく配合されている)なところ。
このため、すべての肌タイプの人に役立ちます。

さて、このトリファラは、それぞれのドーシャ肌タイプにどういった働きかけをするのでしょうか。

(胃腸がきれいなら肌もキレイ)

 

■ヴァータ肌への効果:

ヴァータの肌は、乾燥していて敏感。
定期的に肌に栄養を与え続けなければ、時期尚早に肌の色が悪くなり、むくみやすくなるのが特徴です。
このようなヴァータの肌にトリファラは、直接的に、また間接的に、肌に滋養を与えます。

トリファラの原料の1つアムラ(アマラキ)は、自然のビタミンCが最も豊富に含まれていることで知られ、肌を柔軟で厚く保つために不可欠なコラーゲンの生産を助けます。

またトリファラには、肌の清澄さを高め、くすんで疲れた肌をイキイキとさせるカルシウムも含まれています。
カルシウムはまた、体の経路を詰まらせるアーマ(未消化の毒性物質)を除去する効果があるといわれています。

 

■ピッタ肌への効果:

ピッタの肌は一般的に、特に太陽光線に対してとても感じやすく繊細で、バランスを保つための保護を必要とします。
トリファラには強力な抗酸化作用があり、アムラにはビタミンC以外に、カロチノイドやフラボノイド他の酸化防止物質が含まれているため、遊離基(フリーラジカル)に対する肌の自然な抵抗力を高めることを助ける効果があります。

トリファラはまた、「火要素」を静める三つの味「苦味」「甘味」「渋味」が含まれ、アムラには、通常は熱が増大する質「酸味」が含まれていますが、アムラに含まれる酸味は、アムラが唾液と消化酵素と接触する時に中和されるので、ピッタを静め、肌の光過敏症を減らす効果があるといわれています。

(トリファラ入りスキンケア商品)

 

■カファ肌への効果:

肌が脂性質のカファ肌をもつ人たちは、不純物を磁石のように引き寄せてしまうのが特徴で、肌の毒素は常に悩みの種……。

内側と外側からの両方から洗浄しなければ、カファ肌は簡単に毒素に覆われてしまうことになりがちです。

ここでトリファラに含まれる三つのハーブ(アムラ、ビビタキ、ハリタキ)に注目です。
それぞれのハーブに肌洗浄効果があり、アムラは、さまざまな組織(特に血液、脂肪組織)から毒素を洗浄し、肌を澄んだ色にします。
ビビタキは、肌の脂質レベルのバランスをとるので、脂質分がたまりすぎて肌の経路が毒素で詰まることを未然に防ぎ、浄化し続ける効果があります。

ハリタキは、結腸の洗浄を助け、脂肪組織を浄化します。
これは、汗腺が浄化され、肌は汗を通して毒素をよく洗い流すことができるようになることを意味します。

毛穴は清潔に保たれ、肌に毒性の物質が溜まりづらくなり、肌の経路が掃除されて開きます。

***

肌の経路がきれいな時、肌が本来持っている自己解毒能力は活性化されます。
トリファラの洗浄作用は、効果的でありながら、強すぎることがありません。
また、肌の栄養分を枯れさせない強力な若返り効果があることから、お肌をいつも美しく保つために役立つわけですね。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188