今回は、キッチンにいつも常備しておきたい14番目のアイテム、
「ホリーバジル」についてお伝えしたいと思います。
インドでは、ホリーバジル(holy basil=神聖なバジル)は「トゥルシ」の名で知られ、伝統的に、身体、精神、肉体の治療薬として名高い「ハーブの女王」です。
アーユルヴェーダにおいてホリーバジルは、伝統的に医学的、精神的特性から「比類なきもの」、「自然の母なる薬」、「不老不死の薬」として崇められ、このハーブほどの地位を獲得しているインドハーブは、他に見当たらないほどです。
ちなみにホリーバジルは、薬としてだけでなく、インドではヘアケアハーブとしてもとても有名で、アムラ(インドグースベリー)と並んで髪に艶やハリ、腰を与えて美しい黒髪を作り上げるハーブの代表選手です。
私もインド生活時代に、このホリーバジルを入れたチャイをよく作って飲んだり、もともと細くて腰がない茶色がかった典型的なピッタ髪のハリと腰出しのための必須ハーブとしてヘナに混ぜたり、そのままヘアパックしたりしていました。
そのおかげで、茶色がかった地毛を真っ黒なアジアン黒髪にすることができました。
また、ホリーバジルは肌にも艶を与え、かれた喉を癒して声を美しくしたり、知性、スタミナ、穏やかな感情を育むハーブとしても知られています。
こうのような多様性のあるとてもユニークなホリーバジルは、一般的に葉をお茶にして飲むのが主流です(タイでは料理などにもよく使われています)。
さて、ホリーバジルは実際、アーユルヴェーダ薬としてどんな恩恵を私たちに与えてくれるのでしょうか。
そのあたりのことをお伝えしたいと思います。
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ホリーバジルには辛味と苦味があり、身体組織の深くに浸透して身体組織の分泌物を乾燥させることによってカファドーシャとヴァータドーシャを正常化するハーブといわれています。
またアーユルヴェーダにおいては、主に発熱や咳、風邪に効果的な治療薬として知られています。
ホリーバジルを毎日とると、独自の効能の多彩さによって、日常生活上のストレスに対する抵抗力が増し、病気を予防することができ、健康全般や長寿が促進されることが現代科学においても確認されています。
こういった意味で、ホリーバジルは、アーユルヴェーダの健康に対するホリスティックなアプローチ(心身一体的アプローチ)を単体で地で行くような、稀なハーブなのです。
★ホリーバジルの主な効能
1.「免疫反応の最適化」
ホリーバジルには免疫系の機能を改善する薬効があることが確認され(2011年)、抗体レベルを顕著に増加させる「免疫調節剤」として、研究発表されています。
2.「ストレスの緩和」
免疫系に直接影響を与えるコルチゾール(炭水化物、脂肪、タンパク代謝を制御する生体にとって必須のホルモン。ストレスによっても分泌が亢進され、分泌される量によって血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらすともいわれています)を調整するために最強の抗ストレスハーブです。
3.「強力な適応促進薬」
ホリーバジルは世界で最も優れた適応促進薬とされています。私たちが生理的あるいは心理的機能のバランスを崩した時の回復をすばらしく応援してくれるハーブで、朝に飲めば、朝の生産性が高まり、また夕方に飲めば、夜の睡眠で体が深く休まるよう、落ち着きをもたらしてくれます。
4.「抗酸化物質が豊富」
ホリーバジルには、フリーラジカルによるダメージから免疫を保護し、病気や感染症と戦う体の能力を高める独自の抗酸化物質と微量の栄養素が含まれています。
5.「感染予防のために伝統的に使われてきたハーブ」
感染症の原因となる多くの病原菌に対して抗菌、抗ウイルス、抗真菌の特性があるため、ホリーバジルは伝統的に感染予防に使われてきました。
また咳や風邪の場合、ホリーバジルの抗菌特性は、呼吸器系の問題を引き起こす感染症に打ち勝つだけでなく、免疫反応を強化することで感染症の脅威に対する防御の強化に役立つハーブと考えられています。
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ホリーバジルのティーは、おいしい「強壮剤」、「若返り薬」、「治療薬」です。
強い免疫が必要とされる今まさに、そして今後も、インド家庭のように庭に、あるいは植木鉢で、365日キープしておきたいおすすめハーブNo1です。
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(トップ画像/「比類なき」ハーブ、ホリーバジル〈トゥルシ〉)