■身近なものでヘルスケア&美容。 ~第一回 「玉ねぎ編」part.3~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.165

玉ねぎ

 

★骨の健康を維持する

玉ねぎはまた、加齢による骨粗鬆症を予防できることでも知られています。
定期的に玉ねぎを食べている女性は、食べていない女性よりも骨の量が5%多いことも、研究で明らかになっています。
50歳以上の女性は特に、定期的に玉ねぎをたっぷりと食べると、骨にとてもいいです。

 

★鬱血の解消

夜に生の玉ねぎを食べると、硫黄化合物が粘液を分解し、鬱血を解消できることも知られています。
(ただ、夜に食べると次の日に口が臭くなります……)

 

★「足の下に敷く」だけで、免疫系が高まる?

玉ねぎには免疫機能を刺激するセレンが含まれています。ロシアでは、風邪やインフルエンザの漢方薬として使われています。

ある情報源によれば、玉ねぎを足の下に敷いて寝るという治療法まであり、足の下に敷いて寝ることで、足にある体すべての器官の神経終末が刺激され、免疫が高まるのだとか。
(本当に効くかどうかの真相は不明です)

 

★呼吸器系の健康に

アメリカの研究によれば、喘息やアレルギー性鼻炎のような呼吸器疾患のある患者には、ある種の果物や野菜、玉ねぎなどが有効で、玉ねぎの抗炎症作用は呼吸器疾患の緩和にも役立つことが報告されています。

このため、呼吸器系の不調があるときは、玉ねぎを食事に加えてみてください。

 

★不眠症にもいい

玉ねぎには睡眠を改善するプレバイオティクスが含まれ、ストレスが軽減できます。
普段、ストレスを抱え込み、なかなか眠りにつけない人は、たっぷりと玉ねぎを食べておきましょう。

 

★眼の健康に

玉ねぎに含まれる硫黄は、眼の水晶体の健康を改善し(このため、アーユルヴェーダの目薬には玉ねぎの汁が入っていたのですね)、

グルタチオンと呼ばれる抗酸化物質の産生を促進するといわれています。
(グルタチオンの濃度が上がるイコール、緑内障、白内障のリスクを低下することができることを意味します)

玉ねぎに含まれるセレンは目の細胞を保護するビタミンEを支えます。

イランの研究によれば、玉ねぎは正常な眼の細菌叢の成長を阻害することから、結膜炎や眼瞼炎のような一般的な眼の感染症に対し、玉ねぎの汁を点眼薬として使用したらその効果が認められたそうです。

日本の眼科にいって「玉ねぎの汁を点眼したい」といったら、きっとびっくりされると思いますが……

 

★お口の衛生に。虫歯にもいい

玉ねぎがお口の衛生によいとは。
逆に臭くなりそうなイメージがありますが、そのあたりはどうなのでしょう。

玉ねぎには、虫歯の原因となる細菌を減らすのに役立つチオスルフィン酸塩と硫黄化合物が含まれています。
さらには歯の痛みさえ和らげると考えられています。

このための理想的な食べ方は、「生」。
ビタミンCも豊富に含まれているので、歯を健康に保つことができます。(インドの人たちの歯が白くで丈夫なのは、きっとこのためかもしれません)

ただ、やはり生玉ねぎは、口の衛生にはよくても、生にんにくと同様、口臭の原因になります。
なので、食べた後にどこかに行かなければならない場合は注意が必要です。(ちなみにインド人はそんなこと全く気にしません)

玉ねぎ

(口臭の元になるのがやや難点……)

 

★性的健康の改善

玉ねぎはウガンダ西部では性的不能のための漢方薬の一つとして使われています。
ハチミツと一緒に玉ねぎの汁を飲むと、男性の受精率が上がることで知られています。

 

★脳の健康を高める

研究によれば、玉ねぎに含まれる抗酸化物質は、脳内の有害な毒素とくっついて、体外に排出してくれます。
また、硫黄化合物は加齢に伴う記憶喪失を遅らせることができるということです。
これは、痴呆症の予防にもよさそうですね。

最近、脳の働きが鈍くなったな、と思う方は、ぜひ食事にたっぷりと玉ねぎを加えてみてください。

 

★閉経期の症状緩和に

玉ねぎは閉経期の女性の肝臓を支え、老廃ホルモンを除去する働きがあるといわれています。
この時期はカルシウムの摂取も大切といわれますが、玉ねぎにはカルシウムも含まれているので、まさに一石二鳥です。

 

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……さて、玉ねぎのさまざまな薬効、いかがでしたでしょうか。
まさに「医療野菜」ですね。

◎次回では、玉ねぎを使ったヘアケア、スキンケアなどについてお伝えしたいと思います。

 

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