今回も前回に引き続き、玉ねぎから得られるさまざまな健康効果をお伝えしたいと思います。
★フランス料理(高カロリー食)を食べているフランス人は、心臓病発症率が低い?
フランス料理といえば、バターやらなにやらこってりした、いかにも高カロリーの料理というイメージですが、実はフランスでは、心臓病になる人は意外と少ないそうです。
その秘密は、玉ねぎがたっぷり使われているフランス料理にありました……。
玉ねぎには、以下のような心臓の健康維持に役立つ成分が、たっぷり含まれています。
・有機硫黄
心臓病予防に役立つ有機硫黄が豊富に含まれている玉ねぎ。アルゼンチンのある研究によれば、この有機硫黄化合物をとると、心血管疾患のリスクを低下させることができます。
・チオスルフィン酸とケルセチン
この成分は、玉ねぎの中に含まれる天然の血液希釈剤で、心臓発作と脳卒中のリスクを低下させることが報告されています。また、ケルセチンという成分も、心臓の健康を促進する特性があり、心臓病に対抗します。
玉ねぎはまた、コレステロール値を改善し、高血圧を予防する効果でも知られ、ケンブリッジ大学の報告によれば、玉ねぎに含まれるフラボノイドは肥満の人の悪玉コレステロール値を下げます。
★胃腸を整える効果
生の玉ねぎスライス(サラダや酢漬けなど)を食べると、ぐぐっと食欲がそそられますが、これは、玉ねぎに消化促進効果があるため。
イヌリンと呼ばれる繊維が私たちの腸内の有益な細菌の餌として作用するためと考えられています。
この繊維を食べることで、私たちの腸内の健康なバクテリアを良好に保つことができます。
ただし、玉ねぎの中にはチオ硫酸塩なる抗菌作用がある成分も混じっていて、腸内の有益な細菌に害を及ぼすこともあるため、玉ねぎの抗菌作用に敏感な人は、生で食べるのはあまり向いていないようです。
玉ねぎに含まれる他の繊維で、可溶性のオリゴフルクトースというものがありますが、この成分は下痢を予防あるいは治癒することで知られています。
また、玉ねぎに含まれる植物性化学物質は胃潰瘍のリスクを減らし、便秘の緩和にも役立ちます。
ところで、インドをはじめて訪れる外国人のほとんどは、環境に慣れるための「洗礼」のひとつとして、よくお腹を壊すのが定番です。
特にインドにはじめてやってきたバックパッカーの人たちは、好んで路上の屋台などでスナックを食べますが、よほど胃腸が強くない人でない限りは、ほぼ間違いなくお腹をくだします。
これは、胃腸が慣れていない「辛さ」の食べものにびっくりするということもありますが、スナックについてくる生の玉ねぎのスライスの「衛生度」に問題があることがほとんどで、(なにせ切った状態のまま、熱い太陽の光の下に何時間も晒されています)、
生の玉ねぎは周りにあるバクテリアを吸い寄せてくっつけるような性質もあることから、玉ねぎにくっついた妙なバクテリアも一緒に食べてしまうことになります。
(胃腸に自信がない人は、お客さんの回転が早い清潔めのレストランでまずは胃腸をならしましょう)