前回のシリーズの中でもすこし触れましたが、冬は自然に食欲が増すので、何を食べてもおいしく感じられる季節。
インドやタイといった、ほぼ一年中半そでで暮らせるような暑い国での冬は、季節的な影響があまり食欲にあらわれないという感じでしたが(ちなみにこういった国では、クリスマスも正月も一緒くたで、お正月がだいぶ過ぎてもクリスマスツリーが普通に飾ってあり、一月半ばから下旬までそのままです)、四季の違いがくっきりある日本では、冬の食欲増加が本当にわかりやすいです。
私自身、日本の冬はこんなに食欲が増えるものなのかと日々驚きながら、しっかり食べ過ぎています。(笑)
■年末年始は、世界中どこでも「太る季節」!
冬は、ホリデーシーズンとも重なることもあり、どうしても太りやすくなります。
研究報告によれば、毎年11月の第一週目から1月の第一週目の期間は、世界的に体重増加や肥満が著しく増える期間なのだそうです。
それはそうですね。
この期間はやれクリスマスだ忘年会だ正月だ、で、過剰な量の食べ物やお菓子やお酒にふけるシーズン。
体に脂肪をためて、寒さから体の組織を守ることも大事ではあるのですが、わざわざ自ら太りたい! と思う人は、そんなにいないというのも現状ではないでしょうか。
ごちそうシーズンの冬を、ごちそうはたっぷりと満喫しながらも、太らずにすむような方法はないものでしょうか。
さて今回は、そんな要望にこたえるべく、アーユルヴェーダ的「たっぷり食べつつ、太らないコツ」をご紹介したいと思います。
今年の年末年始シーズンに、ぜひやってみてください。
■研究で実証されている「休日太りに効果的な対処法」
さて、そんな休日太りへの対策として、すすめられるのが、「週二回のみのカロリー制限」です。
どういうことかというと、週のうち二日間だけ、一日のカロリーを730カロリーに抑え、さらにそれらの食事を昼間のうちにとる。というものです。
ちなみにマクドナルドのビックマック1個のカロリーは、530kcal(=5300カロリー)なので、これの約7分の1ということになります。
この方法は、体重増加を防ぐだけでなく、減量や他の多くの健康上のメリットも促進することが、研究でわかっています。
具体的にどういった研究かというと、感謝祭(アメリカとカナダの祝日のひとつで、アメリカでは毎年11月の第4週目の木曜日、カナダでは10月の第2月曜日)の直前から新年にかけての52日間、成人22人を対象として行われた追跡調査です。
10人は通常の食事を食べました。
そして残りの12人はカロリー制限食(週に二日間だけ、一日の食事を730カロリーに抑え、さらに栄養たっぷりのスムージーをプラスしたもの)を食べ、残りの5日間は通常どおり定期的に食事をとったという内容です。
52日間の研究後、通常の食事を食べた10人は体重が増えも減りもしなかったものの、代謝症候群のリスクが高くなるすべての因子(空腹時のインスリンの状態、高レベルの総コレステロール、高血糖などが明らかに上昇)が観察されました。
一方、週二回カロリー制限をした12人は、体重が減り、コレステロールは健康的になり、中性脂肪は22%も減りました……。
これは、ホリデーシーズンにカロリー制限を週二回だけすれば、体重増加を防ぐだけでなく、血糖や代謝の健康さえも促進でき、さらには体重が減ってくれるという、なんとも嬉しいことばかり。
一日一回のみ、あるいは2、3食にわけて、合計が730カロリーにすればよく、その後は水かハーブティーを飲んでやり過ごします。
週に二日だけ、カロリーの低いもの(食材としてはこんにゃく、豆腐などがおすすめです)をたっぷりと食べておなかを満たせばいいのですから、空腹もあまり感じずにすみます。
これならできそうですね……。
《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188
(トップ画像/週二回、低カロリーにする〈こんにゃくや豆腐などのレシピがおすすめ〉)