■「体がなんとなく疲れやすい……。」が普通なら、要注意! 日々を活発にイキイキ過ごすための、副腎ケア。~前編~~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol. 145

アーユルヴェーダ

忙しい生活を送っていると、ついつい、なんとなく見逃しがちな、体の不調……。

朝起きたらまずはコーヒー、紅茶、あるいは緑茶を飲まないとはじまらないパターンの人は、結構多いのではないでしょうか。
今回は、そんな方たちに必読の内容となっています。

それはもしかして、副腎(左右の腎臓の上にある臓器で、生命や血圧を維持するために欠かせない重要なホルモンを分泌している臓器)がお疲れモードになっている可能性があります。
今回と次回の二回にわけて、その原因として考えられること、そしてその対処法についてお伝えしていきたいと思います。

疲労すること、疲労感があることは、何事も早いペースですすむ現代では、とても一般的で、ほぼ日常の一部となってしまっています。

そして私たちはそれを理解しないまま、その疲労感への自己流ケアとして、カフェインやたばこ、砂糖、エネルギードリンク、あるいは他の刺激物に手を伸ばし、一時的にそういったものから助けられては、副腎を消耗させています。

実はこのような「おいしい」刺激物は、そもそも持ち合わせていないエネルギーを作り出すように副腎を駆り立て、無理やり体が動くように強制しているので、最終的には体をもっと疲れさせ、クタクタにしてしまう。とアーユルヴェーダでは考えられています。

ちょっとややこしいのは、いわゆる「健康的にエネルギーレベルを高める」自然なものであっても、実は副腎の機能を高めるための刺激剤であることも少なくなく、その代表例が、朝鮮人参、緑茶、銀杏といわれています。
確かにこういったものは、体を元気にする強壮剤のイメージがありますね……。

アーユルヴェーダ

(朝鮮人参は実は刺激剤)

では、よりたくさんのエネルギーを得るために、すでに十分すぎるほど刺激された副腎をさらに刺激すると、最後にはどうなってしまうのでしょうか?

副腎は生殖機能を消耗させ、血糖が不安定になり、甲状腺の機能を枯渇させ、体内のエネルギーを生み出すセンターをすべて、ゆっくりと使い尽くしてしまうということです。
疲れているときに体を刺激しても、せいぜい一時的に症状が緩和されるだけなのです……。

 

★カフェインは解決策にはならない?

今や、アメリカ人の75%がコーヒーを飲み、そのうち49%の人たちが毎日欠かさずコーヒーを飲んでいるそうです。
この状況は日本もほとんど変わらないのではないでしょうか。

コーヒーを飲む人たちの多くは、「味が好きだから」飲んでいるかもしれませんが、コーヒーがもたらす効果は、味がおいしいだけというよりも、カフェインによって(一時的に)精神的に明快さが増したり、便通がよくなったり、元気が出るから。
という要素が大きいのではないでしょうか。
そうとなれば、世にこれだけコーヒー愛飲家がいるのも、うなずけます。

カフェインはとても中毒性がある刺激剤の代表格で、コーヒー、紅茶、チョコレート他、健康食品にもよく含まれています。

難点は、おいしくて満足感が得られはするものの、その効き目が短命に終わることで、さらにその刺激がきれた後には、副腎の消耗による体の深い疲労感が待っています。

そして、深い疲労感から抜け出すために、脳がさらなる強力な刺激剤を求めるようになり、悪循環が続いてしまいます。

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(インドはチャイ作りひとつにも芸がある)

インド暮らし時代を振り返れば、インド人のほとんどは、カフェイン中毒(特にチャイ中毒)といっても過言ではありません。

インドの人たちは、一日に少なくとも二回以上はチャイを必ず飲みますし、チャイなしには生きていけないほどです。(笑)

私もまた、インド生活ですっかりチャイ中毒者になったひとりなのですが……。

人によっては、カフェインによる深刻な副作用も出る場合があり、あまり報告されることがないカフェインの副作用として、「冠状動脈性心臓病」「動脈性高血圧」他が公表されているということです。

このため、エネルギーのためにカフェインに頼るのは、体にもかなり負担がかかることなので、疲労の根本的な原因に対処し、持続的なエネルギーのための源を見つける必要性を、アーユルヴェーダの専門家は強調しています。

◎次回〈後編〉では、カフェインに頼らずに、日々の純粋な活動エネルギーと満足感のための「アーユルヴェーダの秘密」をお伝えしたいと思います。

 

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https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188

 

(トップ画像/チョコレートはとっても中毒性)