■「体がなんとなく疲れやすい……。」が普通なら、要注意! 日々を活発にイキイキ過ごすための、副腎ケア。~後編~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol. 146

オージャス

前回では、カフェインや他の刺激物に依存してエネルギーを維持することの副作用と危険性についてお伝えしました。

では、どうすればこういった疲れやすさから抜け出し、アーユルヴェーダ的に日々、純粋なエネルギーと満足感を得るのが望ましいのでしょうか。

いくつかの秘訣をご紹介したいと思います。

 

1.「エネルギー源」をテストしてみる

巷には、いわゆる「エネルギーが維持できる」ことを謳い文句にしたドリンク剤やサプリなどがたくさんありますが、実際には、そもそも持ち合わせていないエネルギーを得るために神経系を刺激するので、その結果、体の副腎や他のエネルギーを生み出すセンターは、後から枯渇してしまうのが普通です。

そこで、その「エネルギー源」というものが、実際にはどうなのかを判断するために、以下のことをチェックしてみましょう。

*その「エネルギー源」が健康的な場合、朝になると私たちはエネルギーに満ちあふれます。また寝る前にとった場合は、質のいい安らかな睡眠をサポートします。目指しているのは、「刺激」ではなく、「若返り/元気回復」です。

体を元気にすると考えてとっているその「エネルギー源」が、もし睡眠を妨げるようなら、それは実際には元気回復剤ではなく、「元気回復剤の姿をした刺激剤」ということです。

こういったものを取り続けると、やがて私たちは体の養分は枯渇し、エネルギー不足、睡眠に関する不調、気分や集中力のムラとなって表れるといわれています。

オージャス

(インドの朝食「ポーハ」(満腹感あり))

 

2.若返りハーブやオージャスを高めることで、「無理やり得ているエネルギーの借金を返済する」

アーユルヴェーダでは、エネルギー不足を補うための最良の方法は、「オージャスを高めること」と教えています。

オージャスはよく、「活力」という言葉で翻訳されていることが多く、いわば私たちが食べたものが消化された後に残る、最も洗練された成分です(西洋では、消化プロセスは約4時間続くと考えられていますが、アーユルヴェーダでは消化のプロセスは実際には30日間続き、そして出来上がる最後の産物がこのオージャスです。つまり私たちが今現在持っているオージャスは、30日前に仕込まれたものということになります)。

このオージャスは、私たちの免疫力、エネルギー、力強さ、生殖能力、肌の輝き、そして楽しく愛情に満ちた気質を作り上げる成分と考えられ、逆にこの成分が薄まると、上記とは逆の質が表れます。

このオージャスの生産を後押しする特定のハーブや行為、食物というのがあります。(オージャスを作り上げる食べ物については、バックナンバー19~22をご一読ください)