■味の効用part.14~6つの味とドーシャの関係(ヴァータ編その2)~ インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.130

前回「ヴァータ編その1」では、基本の6つの味がヴァータに与える影響についてお伝えしました。
今回は、「体験の味」がヴァータに与える影響について触れてみたいと思います。

私たちは、これまで体験してきたことを「苦い経験だった」「甘い体験をした」といったように、まるでその経験に味がついているように表現することがありますが、実はそういった体験の味も、食べ物の味がドーシャに影響を与えるのとちょうど同じように、ドーシャをなだめたりあるいは悪化させたりします。

となると、私たちが人生で体験する味は、その後の人生を左右するほど大きな要素にもなりえるということです。

例えば、もう何年も会っていなかった友人と再会したとき、その友人が別人のようになっていた場合(以前よりも辛辣な性格になっていた、あるいは逆に穏やかで親切になっていた、など)、その友人が、再会するまでの年月に「苦い体験」あるいは「甘い体験」をしてきたことが、なんとなく私たちは、顔つきや口調などから察することが出来るのではないでしょうか。

さて、それぞれの「体験の味」は、ヴァータにどのような影響を及ぼすものなのでしょうか。

(かわいいものはヴァータを癒す)

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★甘い人間関係や経験は、ヴァータを深くなだめる

ヴァータは「空間」+「空気」という、とても微妙で繊細なエネルギーから成り立っているドーシャです。
このため、私たちが自分を取り囲む環境のエネルギーを積極的に調整すると、その影響がいい意味で出やすい傾向があるといわれています。

私たちは、思いやりや優しさといった柔らかで心地よく安心感が得られる質を、「甘いもの」として自然にとらえます。

そんな甘さに満ちた人間関係や経験は、「甘い食べ物」と同様に、実際にはそれ以上に、ヴァータを深くなだめます。

甘い経験は例えば、かわいい赤ちゃんやペットとのひととき、愛する人と会っている時間、親しい友人との楽しい会話、あるいは自分自身に愛情を注ぐようなセルフケアやマッサージなどもこれに含まれます。

そんな甘い経験を日常生活の中に意図的に多めに取り入れ、追求することは、ヴァータをとても深いレベルでサポートしていることになります。

 

・ヴァータは塩味のキャラクターに勇気付けられ、退屈から解放される

ヴァータのバランスをとる味のひとつに「塩味」がありますが、勇気や自信にあふれ、熱意のある塩味キャラクターの人の近くにいることでもまた、恩恵を受けるといわれています。

このキャラクターの人たちは、ヴァータの不安、恐怖、退屈しがちな傾向を反転させ、渇を入れてくれるからというのがその理由です。

そんな塩味キャラクターを具現化されたような人が周りにいない場合は、自分で勇気を養うようにすることで、ヴァータの脆さをとても助けます。

 

・ヴァータを追い詰める、「苦く、乾いた環境」

一般的に、冷めたユーモアや潤いのない乾いた経験、苦い経験などは、ヴァータの冷たく乾燥した質をさらに悪化させ、孤立感、分離感、皮肉っぽさ、退屈感を助長させるといわれています。

(冷えびえした環境はヴァータを悪化させる)

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一般的にヴァータタイプの人は、ヴァータの特徴となる「移動性」「微妙」「不安定」などの質を相殺してくれる、一貫性や信頼性のある安定感のある人に引き寄せられる傾向があります。

ヴァータのバランスをとる体験という意味では、特に「甘味」「塩味」的な体験を意図的に増やし、ヴァータを悪化させがちな「辛味」「苦味」「渋味」的な体験は、できる限りさけることが理想的と考えられています。

◎次回はピッタ編その1.をご紹介したいと思います。

 

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http://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188

 

(トップ画像/ヴァータのバランスをとる「甘いもの」)