■体に備わる自己治癒力を高める〈4〉 ~さまざまな断食で、脂肪燃焼力をリセット&解毒 part.1~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.107

ドクタージョンによれば、早期の乳がんと診断された27歳から70歳の乳がん患者2413人が研究の対象となった実験において、13時間断食 は乳がんの再発リスクを減らすことが報告されました。

さて今回から、体に備わる自己治癒力を高めるためのひとつのツールとしての「断食」をテーマにお伝えしていきたいと思います。

断食をすると、普段はびくともしない体の脂肪(体に蓄えられている固形燃料)も、使わざるを得なくなります。
そして脂肪が燃えるということは、美容面でのメリットがあると同時に、脂肪の底に沈みこみ手つかずのままに密かにたまり続けている毒素もまた、体から追い払えるために体を浄化することもできるということは、これまでも何度かお伝えしてきました。

断食というと、なんだか苦行のようなイメージを連想してしまうこともありますが、断食といってもさまざまな断食の方法があり、シンプルで実行しやすいものから、ややハードル高めのものまで、いろいろなバラエティがあります。

そんなさまざまな断食方法を少しずつお伝えしていきたいと思いますが、いきなり長時間の断食をすることは、普段仕事も生活もある一般の人たちには現実的に無理があり、

よほど気合が入っている人以外はほとんど続けることが困難などころか、リバウンドも激しいものになりかねません。

というわけで今回はまず、一番とっつきやすく、毎日でも簡単に実行できる「13時間断食」についてお伝えしたいと思います。

(脂肪燃焼力を復活させる)

 

■13時間断食のやり方:

一日3食(朝食、昼食、夕食)をしっかりとりながら、それぞれの食事と食事の間に間食を一切とらずに、時間の間隔を5、6時間かけるようにするだけでも、体の脂肪代謝を促進させることができます。

そして、夕食後から翌日の朝食をとるまでの時間というのは、実は「脂肪を燃やし、余分な体重を減らし、解毒するためにとってとても効率のいい、最適な時間帯」です。

特に夜10時から夜中2時までは、アーユルヴェーダにいうところの「ピッタ時間」(ピッタが自然に増加する時間)にあたり、ピッタの器官の肝臓は、この時間に特に解毒業務に勤しむよう、プログラムされています。

このため、夜更かししてこの時間帯に起きていると、体の解毒プロセスを邪魔することになるといわれています。

 

《やり方》

・朝食は普通に、あるいは軽く食べ、その日にとる食事の中で一番大きな食事を昼食時にたっぷりと食べておきます。

・夕食は早めに、軽くだけ食べることが理想的ですが、寝る頃にお腹がすいてついついスナックに手を伸ばしてしまわないように、ある程度の量を食べておいてもかまいません。この時とるものは、野菜がたっぷり入ったスープ系のものが最適です。

・さらに、週二回は夕食ぬきにすると(つまり実質16~20時間ぐらいの断食)、脂肪燃焼と解毒がさらにスピードアップします。
この場合、朝と昼間はたっぷりめにとり、昼食はやや遅めにとって、夜にそれほど空腹感を感じなくても済むようにしておくといいかもしれません。

そして、いつも食事と食事の間に、たっぷりと水(あるいは砂糖なしのハーブティー)を飲んでおくとさらに効果が倍増します。

(早めの夕食は、野菜たっぷりめスープがおすすめ)

 

■夜の13時間断食で得られるメリット/ある研究報告:

ドクタージョンによれば、早期の乳がんと診断された27歳から70歳の乳がん患者2413人が研究の対象となった実験において、13時間断食は乳がんの再発リスクを減らすことが報告されました。

また、毎晩13時間未満の断食をした女性たちは、乳がんの再発リスクが36%高くなったということです。断食の時間をさらに2時間単位で追加するごとに、血糖値と睡眠の質の顕著な改善が見られたことも報告されています。

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13時間断食を毎晩やることで、脂肪代謝は簡単にリセットされます。
さらには安定した神経系を再びたてなおす効果も確認されています。

この13時間断食、ぜひ生活習慣のひとつとして定着させてしまいましょう。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188

 

(トップ画像/ランチに一番大きい食事をとる)