■体に備わる自己治癒力を高める〈1〉 ~一日3食は、もはや非常識?~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.104

多少の個人差はあれど、多かれ少なかれ私たちは、食べ物依存状態になっているのが現代人。

さて、ここのところは、「免疫を高める食品選び」をテーマにご紹介してきました。

今回から数回にわたり、体に備わる自己治癒力をサポートする、解毒や断食といったテーマで、お伝えしていきたいと思います。

 

・「一日3食」はもはや非常識?

私たちは、子どもの頃から一日3食食べることに慣れ、それをほとんど当たり前に感じているのが普通だと思います。

そしてなおかつ、そういった定番の食事時間以外にも、いつでもつまめるようなものをバックの中に潜ませていたり、あるいは手が届く場所にちょっとしたスナック菓子などを置いていたり、

まるで空腹になることをおびえるかのように、絶えず何かを食べていることがあるのではないでしょうか。
(特にストレスがある時などは、お腹が空いていなくても妙に何かを食べたくなったりするものです)

そして、食事をほんの一食でも抜こうものなら、不安でしかたなくなってしまう。

なんてこともあるのではないでしょうか。

多少の個人差はあれど、多かれ少なかれ私たちは、食べ物依存状態になっているのが現代人。

それは、このストレスの多い時代に、一時的にでも手っ取り早く、ストレス解消できるのが、食べ物だからということもあるでしょう。

(口が寂しいとついつい手が……)

しかし、時間を遡ると、そもそも私たちの祖先たち、昔の狩猟採集民は、現代のように「毎日3食食べて当たり前」という食べ方とはまるで違う食べ方をしていたといわれています。

それはそうですね、昔は保存の利く冷蔵庫なんてそもそもありませんし、獲物や食べ物が見つかったら食べ、見つからなければ食べれない時代で、食べ物が見つかればごちそうを食べれるし、見つからなければ見つかるまでの長い時間、飢餓状態で過ごさなければなりません。

そんなどちらの両極も、普通にあった遥か昔の時代。
祖先たちは、そんな日々を逞しく生きながらえてきたのです。

そのため、長い時間食べ物なしで過ごすことは特別なことではなく、むしろそういった環境に慣れていたために、サイクル的に断食は当たり前でした。

つまり私たちの体というものはもともと、なんらかの事情でちょっとぐらい栄養不足になったり、食べていなくても、そう簡単に死なないようにはじめからできているばかりか、ここ数年では、それを証明するかのように、何も食べない時間(断食、カロリー制限など)を意図的に設けることで、細胞はさらに長く生きながらえることができ、ミトコンドリアはより多くのエネルギーを作り出し、体が若返りさえすることが、明確になってきています。

(例えば、2016年にオートファジーの研究で日本の教授がノーベル賞をとりました。このオートファジーなるものは、体が断食やカロリー制限などで飢餓感がある時ほど、体は自動的に掃除モード、あるいは破損した細胞などの自己修復モードに入り、体が元気になるどころかガンのような複雑な病気さえも治してしまうことが証明されました。この機能がなんらかの理由により働かなくなると、体は損なわれた細胞が修復されずに蓄積されていき、これが危険な自体を発生させるということです)

 

これまで私たちが当たり前だと思ってきたライフスタイルのひとつともいえる「一日3食」。

実際には、私たちの体は、そんなに食べなくても生きていけるようにはじめからできていて、「一日、3食食べなければならない」という常識はもはや、通用しなくなりつつあるこのご時勢。

(ジュース断食イメージ)

そして、アーユルヴェーダやヨガにおいてもまた、何千年も前から、定期的に断食をすることが当たり前のように行われてきました。

現代に生きる私たちが、ついついやってしまいがちな「ちびちび食い」や「一日3食以上、小さいな量を食べる」という食べ方は、ありとあらゆる現代特有の病気を引き起こしている原因のひとつといわれています。

次回では、この現代的ともいえる食べ方の潜在的な危険性などについて、アーユルヴェーダ専門家の見解をお伝えしたいと思います。

 

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(トップ画像/アーユルヴェーダの解毒ごはん「ケチャリ」)