カカオニブに恋をして。 甘くないそれは、愛の媚薬? 長寿の妙薬?

●神々の食べ物、カカオの栄養そのままに。

チョコレートの原料であるカカオの木の学名は、「テオブロマ・カカオ」。
テオブロマは、theos(神)とbrom(食べ物)というギリシャ語を合わせた言葉なのだそうです。

古くはマヤ文明より前の時代から身体によいとの認識と、育てるのも焙煎して食物にするのも難しいことから貴重なものとされてきたカカオ。
恋をすると分泌が増すフェニール・エチル・アミンというホルモンの分泌を促進するといもいわれ、神の食べ物と名付けられても不思議ではありません。
このところ、そんなカカオの栄養価が注目されています。
今回は、カカオ製品の中でもスウィートなチョコレートではなく、カカオ豆を砕いただけの素朴だけど栄養豊富なスーパーフード、カカオニブのお話です。

香りは甘ぁいチョコレートと同じでも、甘みは全くありません。
そしてかなり濃厚な味わい。
実は、50%が脂肪分なのです。
苦手な人は苦手かも知れませんが、好きな人ははまってしまう、好き嫌いがはっきりしそうです。

 

●カカオポリフェノールとカカオタンパクに注目。

カカオニブがスーパーフードと言われるのは、活性酸素の働きを抑え老化防止効果が期待されるポリフェノール、便秘予防によい食物繊維の一種であるリグニン、血流を促したり集中力を高めたりする効果のあるテオブロミンなど、カカオならではの栄養が効率よく摂取できるところにあります。

忘れてはいけないのは、カカオニブの50%が脂肪分であること、そしてテオブロミンにはカフェインに似た作用があるので、食べすぎないように注意したいです。
特にお子さまや妊娠中の方、医師の治療を受けている人などは負担を感じない程度にとどめましょう。

 

(アボカドにオリーブオイルとカカオニブ、塩レモンで作ったドレッシングをかけて。塩レモンは、もう少し控えめのほうがGOOD!)

 

●ニブは、パウダーより食べやすいクラッシュタイプ。

カカオ豆を使用したピュアなタイプでパウダー状にしたものもあり、こちらの方が調理しやすそうな印象がありますが、実はカカオニブの方が食べやすいです。
クラッシュタイプのカカオニブは、カリッと噛めて濃厚な風味が口の中でまとわりつかずにすっと消えていくので重たくないのです。

手軽に食べたいならおすすめは、ドライフルーツとのミックス。
すでにミックスして販売されているものもあります。
甘味がなく濃厚なカカオニブに、ドライフルーツのさわやかな甘さはよくあいます。

 

(ドライフルーツとのミックス。すごく食べやすい。)

 

(ヨーグルトにも。バナナともよくあう。)

 

ヨーグルトに混ぜるなら、バナナかシリアルをいっしょに混ぜるのがおすすめです。
ナッツといっしょに、あるいはカカオニブだけバニラジェラートにトッピングするのもおすすめです。
アイスクリームにクッキーといっしょに混ぜてもおいしいです。
はちみつをかけたチーズに添えてもよいです。
パンやお菓子を手作りするのが好きな人なら、チョコチップ代わりに入れるとよいでしょう。
甘さをおさえた自然なカカオの味と香りが満喫できます。

 

(アヒージョに入れると、コクが出て食感も楽しくなる。)

 

●カカオニブをサラダに、アヒージョに。

デザートだけでなく、お料理にも使うのもおすすめです。
例えば、サラダや肉のソテーのトッピングにすると、カカオニブの風味とカリッとした食感がおいしさを引き立てます。
また、アヒージョに入れるとコクが出て、独特の食感が楽しめます。
具材としては、野菜やきのこなど、カカオニブの香りと食感が生かせるものがよいでしょう。
独特の食感と甘い香りが楽しめて、しかも身体によい栄養に満ちたカカオニブをほんのひとさじ、ミラクルな時間が生まれるかも知れません。

 

(カカオニブ入りもパンを販売するお店もある。コクがあって甘さはナチュラルでおいしい。)

 

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(トップ画像/カカオ豆を砕いただけ。素朴なカカオニブ。)