アンガーマネジメントVol.32「あなたは見たいものしか見ていない」

今日は、「知覚の選択性」についてお話します。

私達が一日に目で見たり、耳で聞いたりする情報はおよそ34ギガバイト、単語数にするとおよそ10万語、という事は以前、「アンガーマネジメント Vol.14「脳を自分の味方につけよう」でお話しました。
私たちは、全ての情報を把握しているようで、実はその一部しか見えていません

見えないゴリラ

これを実証した有名な実験があります。
世間では、『Invisible Gorilla(見えないゴリラ)』と呼ばれる実験で、白いTシャツを着た3名と、黒いTシャツを着た3名がバスケットボールをしている90秒ほどの映像を被験者に見せ、白いTシャツを着ているチームが何回パスをするか数えてもらう内容です。

実は実験の最中にゴリラの着ぐるみが乱入し、カメラの前で胸を叩いたりするのですが、被験者の半数はゴリラの存在に全く気付きませんでした。

もうタネあかしをしてしまったのですが、興味のある方は下記URLから実際の映像をご覧頂けます。

一番上の映像が1999年のもの、そして、ぜひその下の2010年に行われた実験の映像も見て下さい。こちらにもう一つのトリックがあります。

※他の動画も、こちらでご確認いただけます。

トリックに気付くか、ぜひ開始後40秒くらい立ったらいちどビデオを止めて下さい。こちらの記事の最後で、トリックの正解を発表しますね。おそらく気付ける人はいないと思います!

私が実施しているアンガーマネジメント応用講座では、この知覚の選択性についても扱っています。回によっては、ほとんどの人がゴリラを見つけたり、逆に誰もゴリラに気付かなかったという日もあります。みんなすごくびっくりするんですよ(笑)。

「あの時、あいつはあんな顔でこんな事を言って私を傷付けた!」と自信満々に思い返す記憶は、実は真実とは全く違っている可能性があります
「絶対忘れない!」と思う怒りは、実は自分がピックアップした限られた情報を、想像力を使ってフルに作り上げた妄想ストーリーかもしれないからです。何かを見落としている可能性は十分にあります。

「私たちはまんべんなく見ているようで、実は自分が見たいと思う景色しか見えていない」という事実をぜひ覚えておいて下さいね。

さて、クイズの正解です。
ビデオをご覧になった方、ゴリラは当然気付いたと思いますが、後ろの幕の色が変わっていた事まで気付きましたか?
赤から黄色っぽくはっきり変わっているんですよ。

それではまた次回。

 

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  •  次回へ続く

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