アラン・コーエンさん セレンディピティ単独インタビュー PART.6

日本人にとっての「祈る」ということ

編 : 先ほど「自分を信頼するには、自分に優しくしてあげることだ」と教えてくださいましたが、その中で「祈る」ということがありましたよね。無宗教の日本人にとって「祈る」ということはあまり身近ではない気がします。言い方を変えると「八百万の神」の概念が染みついているので、よく分からなくなっているともいえるかもしれません。日本人が「祈る」ということに意識的になるには、どうしたらいいでしょう?

ア : 「神様を内側に見る」という日本人の性質はとても良いと思います。究極的には、そことつながって祈るというのが、すごくいいでしょうね。神様との関係は人それぞれです。うまくいくやり方は人によってちがうと思うので、それに対して自分自身が正直であっていいと思うんですね。宗教の中にも神様はいるし、宗教の外にも神様はいる。特定の宗教に属していないけれど、自分の内側に喜びや癒し、生命というものを見出すというのは、とてもスピリチュアルで霊的な存在であるといえるでしょう。そこに基づいて行動できれば、それ自体がパワフルな祈りだと思うのです。

編 : 少しおかしな話かもしれませんが「外側に祈る」としたら?

ア : 「感謝」というのも強力な祈りですよね。ありきたりな一日の中でも、何か感謝できることって見つけられると思うんです。仕事場で冗談を言う人がいたら、楽しくて良かったとか、街を歩いていてかわいい犬に出会ったとか、ハワイと日本でもパソコンのクリック一つで無料通話ができて、パートナーと話ができるとか、ね。当たり前に思ってしまいがちだけど、それって奇跡的なこと。そういうことをひとつひとつ見出していく。

編 : 感謝の種がわからなくなるくらい忙しいというのは、良くないですね…。

ア : まずは深呼吸してリラックスすることですね。心が平安の状態でいると物事を愛の目で見られるようになります。感謝は無理してするものではなくて、自然と内側から湧き上がってくるものですよね。

編 : 最後に、アランさんにとっての「幸せ」とは、どんなことでしょうか?

ア : 宇宙の中で心穏やかな気持ちでいられるということ。ありのままの自分でいられるということ。人間らしさがあってもそれでも自分らしくいられるということ。不完全の中の完全性、「わび・さび」の概念ですね。戦うでもなく誰かや何かを直そうとするでもなく、宇宙も流れるままで受け入れる。「ありのままを楽しむ」、ということですよね。

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■プロフィール
アラン・コーエン
CBS、CNN等のTVネットワーク、ラジオなどにも出演し、 最も売れているスピリチュアルな米国作家の一人。
これまでに数多くの著作や講演、ワークショップなどを通じて、よりよく生きようとする人々、もっと人生を信じて創造的な自己表現を目指そうとする人々の心に触れ、彼らの生き方に啓発を与える。
ベストセラーの著書が多数あり25ヶ国語に翻訳され世界中で親しまれる。代表作に「Why Your Life Sucks and What You can do about it (今日から人生が変わるスピリチュアル・レッスン ダイヤモンド社)」、 「I Had It All the Time(人生の答えはいつも私の中にある KKベストセラーズ)」ほか
アラン・コーエンジャパン http://www.alancohen-japan.com/

TEXT:丸山桜奈 PHOTO:和田咲子