アラン・コーエンさん セレンディピティ単独インタビュー PART.4

これからの日本で生き抜き、幸せになるために、いま必要なこと

編 : いまの日本人がこの世の中、そしてこれからの日本や地球で生き抜き、幸せになるためには、どうしたらいいのでしょうか。

ア : 自分に対して優しくすること。人生のすべての過程を信頼すること。自己表現すること。直感に従うこと。自分の魂に従うこと。ありのままの自分でいること。そして、「ありのままの自分でいたら、宇宙がサポートしてくれるだろう」と、宇宙を信頼することですね。

編 : 物質主義的、資本主義的なあり方を始め、「いままでのやり方が通用しない」ということでもあるように思えました。

ア : いま、地球では多くの変化を目にしていますよね。古い組織は、どんどん崩壊してきています。ですから、人々は新たなやり方というものを求めてやまない。「古いやり方はもう、うまくいかない」と分かってきたからこそ、「自分の心の内側を見つめて方向性を見いだすべきだ」と思うんです。「本来の自分たちのありのままでいいんだ」ということを信頼することが、とても大事になってきますよね。

編 : 日本人は、自分に「優しくすること」と「甘やかすこと」を混同する傾向があるように感じます。「自分を甘やかさずに、優しくする」には、どうすればいいんでしょう?

ア : 大半の日本人のみなさんは、自分に優しくするどころか、自分を甘やかすことからもほど遠いように見えます。日本人のみなさんは「自分を否定すること」「苦しむこと」「自己犠牲すること」を、深く教え込まれてきているんですよね。そう信じてしまっている。ちょっと自分に優しくするだけでも「やりすぎじゃないか」と思っている方がとても多い。少し、考え方をシフトさせる必要があるでしょう。「自分はもっと優しさを受け取るに値するんだ」と、自分に許可を出すことですよね。

ちょっとした例え話をしましょう。ある夏の晩、僕はパートナーとレストランに行きました。そこのスタッフに、エアコンの下に座るように指示されて「ちょっと寒いな」と思っていたんですね。前菜がやってきて食べ始めたら、どんどん寒くなってきた。「他のテーブルに移りたいな」と思ったんですが、食べ始めてしまったし、スタッフの仕事を増やすことに罪悪感もあって、一瞬、躊躇しました。でも、やはり「寒いので席を換えて下さい」と勇気を出して聞いてみました。すると一つ返事で移動させてくれたんですね。その5分後、老夫婦がレストランにやってきました。そして、私たちが立ち去った席に案内されたました。老夫婦の男性は、席に着いた瞬間に言いました。「涼しい…。今の僕にはエアコンがちょうど必要だったんだよ」って。実はそれは、他の人が望むものを手に入れるために、席を譲っているかもしれないんですよね。

編 : とても分かりやすいお話ですね。私もその席のままで、我慢してしまいそうです。

ア : 日本人のみなさんというのは「自分を甘やかすと誰かの幸せを奪ってしまうのではないか」と思う傾向が強いですよね。でも、新しい考え方というのは、「自分にすごく優しくすることが、実は他人のためにもなっている」という考え方です。

PART.5に続く

PART.3 

PART.2

PART.1

■プロフィール
アラン・コーエン
CBS、CNN等のTVネットワーク、ラジオなどにも出演し、 最も売れているスピリチュアルな米国作家の一人。
これまでに数多くの著作や講演、ワークショップなどを通じて、よりよく生きようとする人々、もっと人生を信じて創造的な自己表現を目指そうとする人々の心に触れ、彼らの生き方に啓発を与える。
ベストセラーの著書が多数あり25ヶ国語に翻訳され世界中で親しまれる。代表作に「Why Your Life Sucks and What You can do about it (今日から人生が変わるスピリチュアル・レッスン ダイヤモンド社)」、 「I Had It All the Time(人生の答えはいつも私の中にある KKベストセラーズ)」ほか
アラン・コーエンジャパン http://www.alancohen-japan.com/

TEXT:丸山桜奈 PHOTO:和田咲子