アラン・コーエンさん セレンディピティ単独インタビュー PART.3

あきらめてしまいそうな時は、最高のチャンス

編 : 自分が信じていた道に進めそうもない時、夢が叶いそうもない時、多くの人はあきらめてしまいがちです。心が折れてあきらめそうな時には、どうしたらいいのでしょう?

ア : あきらめそうになった時こそが「最高のチャンス」ですよね。なぜなら、「委ねるしかない」からです。「もうどうしていいかわからない、助けてください、もういいや…」 実はそういった時にやっと思考が止まって初めて直感がやってくる。直感を受け入れられるようになるんです。実は「あきらめた瞬間に人生が変わった」という人は多いんですよ。ですから、あきらめることは悪いことではないんです。

編 : アランさんご自身の、壁にブチ当たったり、あきらめた時の経験を是非、教えてください。

ア : パートナーシップに関してあります。今のパートナーに出会う前、半年くらいつきあった彼女がいました。そこには劇的なドラマがたくさんあった。ケンカ、涙、決断できない感じ…。最終的には「これはおかしい、こんなパートナーシップはあるべきじゃない」と思い至って別れを告げました。その時、自分に誓いました。「喜びがない、穏やかでいられないなら、パートナーシップは築かない」って。あきらめた、委ねたんですね。その決断をした直後に今のパートナーに出会いました。まずは友人になって、穏やかで楽な気持ちで同じ時間を過ごし、ケンカもドラマもなくすごく楽しいと思えた。「ドラマの多いパートナーシップならいらない」とあきらめたことで、新たな方向に進めたんです。

編 : パートナーシップで、自分が持っている激しいドラマやパターンの癖を改善しようとする必要はないんでしょうか?

ア : まずは「これは私が本当に望むものではないのだ」と気づくことから始めるといいですよね。僕がやっているコーチングプログラムに「代償と対価」という言葉があります。パートナーシップにおいてドラマを作ってしまう人というのは、実はそこから報酬を受け取っている、という見方です。

編 : 苦しんでいるように見えて、本人にとっていいことがあるんですね。

ア : 心のどこかではそれを望んでいるわけです。「私はどうしてそれを選択しているのか」ということに気づくことが大切ですよね。「本当は自分が望んでいるものではない、もっと楽しい時間が過ごしたい」と気づければ、そこからシフトしていくことができます。生理的なものもあります。ドラマをやっているとアドレナリンが出る。そういった刺激がないといられない、癖になっているんです。そういった要因を全部見つめて「これって本当にうまくいっているのだろうか」と問いかけることが大事です。

編 : パートナーシップの終わり頃や、何かをあきらめそうになる時って、ものすごくイライラしますよね。そのイライラを超えて判断するにはどうしたらいいんでしょうか。

ア : フラストレーションは「その方法ではうまくいかない」というサイン。だから、ちがったことを試す必要があるんです。でも、大半の人はさらにそれを重ねようとしてしまう。そのやり方でうまくいっているのなら、とっくにうまくいっているはずなんです。そのことに気づくことですよね。フラストレーションを感じること自体が恩恵で、転換のサインだと思うようにするといいですね。フラストレーションを感じている時は「宇宙があなたを助けようという気になっている時」なんですよ。

PART.4に続く

PART.2

PART.1

■プロフィール
アラン・コーエン
CBS、CNN等のTVネットワーク、ラジオなどにも出演し、 最も売れているスピリチュアルな米国作家の一人。
これまでに数多くの著作や講演、ワークショップなどを通じて、よりよく生きようとする人々、もっと人生を信じて創造的な自己表現を目指そうとする人々の心に触れ、彼らの生き方に啓発を与える。
ベストセラーの著書が多数あり25ヶ国語に翻訳され世界中で親しまれる。代表作に「Why Your Life Sucks and What You can do about it (今日から人生が変わるスピリチュアル・レッスン ダイヤモンド社)」、 「I Had It All the Time(人生の答えはいつも私の中にある KKベストセラーズ)」ほか
アラン・コーエンジャパン http://www.alancohen-japan.com/

TEXT:丸山桜奈 PHOTO:和田咲子