そして待ち合わせのカフェに着いた時、まだそのモデルさんはいませんでした。
ドキドキしながら、紅茶を注文し席に座って待っていました。
そしてふと顔を上げると、「初めまして」とそのモデルさんが立っていました。
初めて見た瞬間、心臓がドクドクと音を立てました。
「写真よりもずっと綺麗だ……でも、綺麗だけじゃない。何か神秘的なオーラが身にまとっている。」
一瞬でここまで心を奪われた出逢いは初めてでした。
そしてお名前を聞いたところ、「YOKOです！」と答えた時に、私の母と同じ名前だとビックリしました。
これは後々分かるのですが、なんと漢字まで同じだったのです。
「太平洋の洋に、子どもの子で、洋子。」これが私とYOKOさんの出逢いでした。
●決して否定語を言わない愛のあるモデル。
そして、最初は自己紹介、YOKOさんのこんな写真が撮影したいなどの仕事の話をしていました。
ある程度、仕事の話が終わった時、ふと私はYOKOさんがこれまでどんな人生を生きてきたのか気になりました。
というのも、私は歴史が大好きなので初対面の素敵な人と出逢うと、「その人の歴史」を聞くのがたまらなく好きだったからです。
YOKOさんは、本３冊は書けるぐらい波乱万丈よ～とニッコリ微笑んで、でもこんな綺麗な人が波乱万丈？？ と不思議な気持ちでいっぱいになりました。
YOKOさんは沖縄で生まれて、その後は世界中色々な場所に行ったことを話してくれました。
一番びっくりしたのが、「五寸釘を使って、ワラ人形で打たれたこともある。」というエピソードでした。
五寸釘？？ ワラ人形？？ 思わず、こんな時代にそんな古典的なやり方で人を呪う人もいるのだと衝撃でした。
でもそんなものどこで販売しているのですか？？ と聞くと、「Amazonで売っているみたいよ～今は何でもAmazonで売っている！」とケタケタ笑うYOKOさんが本当に魅力的な人だなと思いました。
どんなに壮絶な過去でも、YOKOさんはお茶を飲みながら朗らかに笑っていて、その空気にとても癒されていきました。
不幸話や過去のつらい出来事をつらい顔をしながら、話す人が多いのに、YOKOさんはこんなにも明るく笑い話にしている。
私は、そんなYOKOさんの魅力にココロの底からこんなにも美しいのに、偉そうにしないで、朗らかな人がいるのだなと思いました。
「愛がある人」とはYOKOさんみたいな人のことをいうのだなとふと思いました。
仕事とは関係なしに、もっとYOKOさんを知りたい、もっと話を聞きたいとの思いが抑えられなくなりました。
まさに恋をしているといった状態です。
女性にここまでの感情が動いたのは、YOKOさんが初めてでした。
YOKOさんはモデル兼アロマセラピストをしていて、アロマ講座をたまに開催していると話してくれました。
そのアロマ講座が開催されるとき、ぜひ参加させて下さい！
カフェで立ち上がって立候補したので、周りのお客さんはクスクスと笑っていました。
顔を真っ赤にしながら座ると、「ユリさんは本当に熱くて面白いね！」と笑ってくれました。
私がYOKOさんといる時に心が癒されていったのは、なによりもYOKOさんが全く「否定語」を使わなかったからです。
