●「豊かさの価値観」が大きく変わる、withコロナの時代
「引き寄せの法則」や「潜在意識の活用」など、世の中には、目に見えない意識やエネルギーの力を生かした開運術の情報があふれています。
けれども、このコロナ禍による世界的な混乱を、誰も望んでいませんよね。
ほとんどの方が、予期せぬ出来事の中で不安に耐えていたことと思います。
「新しい生活様式」が提唱され、オフィスや学校、レストラン、公共機関など、わたしたちの生活に密着するさまざまなスポットの自粛解除が徐々に進んでいく中で、すでに人生が大きく変わってしまったり、これからどうすれば自分らしく生きられるのか、手探り状態の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
幸せの定義や価値観が大きく変容しているこの状況は、3.11.東北大震災のあとを思い起こします。どんなに恵まれた生活をしていても、“物”は一瞬にして、自然界の力で奪われてしまうことがある。だから、「自分らしさ」や「本当にやりたいこと」、「家族や友人との絆」を大切にしていこうという価値観の転換、パラダイムシフトが大きく進みました。
当時と今との大きな違いは、目に見えないウィルスへの予防のために、行きたいところへ行ったり、会いたい人に会ったり、大きな声で素直な気持ちを伝えたり、ハグをしたりなど、「思いのままに行動する」ことが、少し難しくなってしまったことです。
スピリチュアルの世界では「ありのままの自分」を大切にすることが、幸福の鍵と言われていますが、ありのままが叶わない状態になった時、どう生きたらいいのか。答えのヒントを、『お金の引き寄せ方は魂だけが知っている』(日本文芸社)を昨年11月末に出版された、風水師・愛新覚羅ゆうはんさんに聞いてみました。
●「ソウル・リッチの時代」が到来
黒龍江省ハルピン出身で、古代王朝からの名家・愛新覚羅一族の末裔であるゆうはんさんの家系には、代々、帝王学にもとづく独自の風水術が伝えられてきました。今、日本で活躍しているゆうはんさんですが、いわゆる成功者であるのに、この本には、「お金の引き寄せ方」とタイトルにありながら、大きな富の引き寄せ方や、地位や名声を得る方法、体験談などというものはあまり出てきません。
むしろ、ゆうはんさんの周りの経営者やマダムなど、一般的には成功しているのに満たされなさを抱えている方の空虚が描かれています。そして、これからの時代は、目に見える富よりも、目に見えない魂が震えて歓喜することがほんとうの豊かさである「ソウル・リッチの時代」が来ることを説き、「ほんとうの自分の取り戻し方」や「運の人脈(ネットワーク)のつかみ方」を指南しています。
海外だけではなく国内も、思うように旅行やレジャーができなくなり、きらびやかなイベントやパーティは中止になり、そのために用意していたファッションはクローゼットに眠り、美味しいグルメも叶わなくなり…この数ヶ月の自粛期間で、自分にとって必要なものは何なのか、迷ったり、価値観の変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まるで、この状況になることを予見していたかのような言葉を綴るゆうはんさんは、これからの運のつかみ方や方向性をどうとらえているのでしょうか。
●「闘わないマインド」にシフトすることが、新しい時代を幸せに生きる鍵
—— 本を拝見しまして、今の時期に出版されたものでしたら、「ああ〜」と頷けるのですが、まだ世の中が、インバウンドや東京オリンピックなど、好景気の期待に満ちていた昨年末に出されていることに驚きました。いつ頃から、こういった流れを見通していたんですか?
「2020年、大きなエネルギーの変革が起こるのはわかっていましたので、そもそも実は、2014年に環境学の見地からの風水本を出版した時からもう、この企画を温めていたんです」