ココロセラピストが語る!? 夢を勝手に深堀して遊ぶ~潜在意識からのメッセージを受け取るかどうかは別として~

夢

突然の急展開。

僕の知り合いらしい男は、ナイフを取り出した。ナイフは僕の脇腹の方を向いている。「………残念だが、俺は君に、結構恨みがあるんだ………。」男は覚めた声で僕に言った。僕は驚いて、男の顔を凝視した。男は怒りの形相でもなく、ただ静かに僕を見つめていた。

そうか。この男は僕の事をそんなに恨んでいたのか。そういわれれば、心当たりがあるような無いような。でも、心当たりがなかろうと、ナイフを向けてくる程の事が起きているということは、きっと、それ相応の恨みを買うようなことを僕はしてきたのだろう。そして、それに気づこうともせず、もしくは気づいていたとしても気づかなかったフリをし続けてきたのかもしれない。

僕の感情は自分で思うよりもシンプルだった。相手に対する怒りや嫌悪感はない。むしろ、罪悪感や、自分のデリカシーのなさを恥じた。「わかった。そうなんだね。それは申し訳ないことをした。いまさら言い逃れをする気もない。君が僕をそのナイフで刺したいのならば、刺せばいいよ。怒ったり、反撃したりする気はないよ………。」と、僕は言った。

男の視線は僕に向けられたままだが、ナイフを持った手元は微妙に震えている。それはそうだろう。躊躇なく、人を刺そうと思うことなど滅多にない。刺してしまった後の自分の事を考えると、冷静でいられるはずもないのだから。だが、刺す刺さないは別として、こちらに対する恨みの念は簡単には消えそうにない。そんなところだろうか。

と、いう夢を見た。悪夢ではあるが、僕は眠くてまだ起きたくはなかった。殺されるかもしれない夢を見ていたのに、夢から覚めてよかったと思うでもなく、まだ寝ていたいと思う自分に複雑な気持ちになった。だが、睡眠欲求というのは、それほどに強いものなのかもしれない。

夢占い。

僕は自他ともに認める、良く夢を見る人だ。だが、今回の夢はおそらく初めてのパターンだ。悪夢ではあるが、いつも見る悪夢ほどの恐怖心はなかった。これも珍しいパターンだ。なので仕事の前に、夢占いをしてみた。意外な結果だった。現状打破。リ・スタート。抱えているコンプレックスや問題をクリアして、新しい自分になる。そんな内容だった。

眠かったが、良い占い結果が出てラッキーだった。悪夢もあながち無駄ではないなと思った。本音を言えば、最近、疲れがたまる一方で、休日も、ほぼ睡眠で消えてしまう。回復するより疲れるペースの方が早くなっている。なので、夢をお休みして、ひたすら睡眠を回復に充てたいところだ。夢占いに限らず、占いを妄信しすぎるのは危険なのでお勧めはしない。だが、それを信じることで、少し前向きになれるなら、占いはとても良いと思う。

少々脱線するが、悪い結果を言う占い師を露骨に悪く評価する人も多い気がする。あからさまに不安を与え、追い詰めてくる占い師に対しては、ちょっとどうかなと思う。だが、自分の望む答えが返ってこないからと言って、それを相手のせいにするのは何か違うと思う。お金を払ってるんだから、気を遣えと言うのであれば、最初から占いなどせずに、対価を支払うから自分に甘い言葉を囁いてくれと誰かに頼めば良いと思う。

なんにせよ、僕が今の自分という殻を打ち破って、新しい自分にパワーアップして生まれ変われるなら大歓迎だ。その前に、休養しないと生まれ変わる前にへばりそうだけど。

占いとは別に、内容からあれこれ考えてみた。

自分を成長させるために、というわけでもないのだが、せっかくの夢なので、その夢についてあれこれ考えてみた。

①人は、知らないうちに敵を作っている。

不思議なもので、人は知らないうちに恨みを買っていたり、嫌われたりしていることが時々ある。不可抗力なこともあるし、相手が悪い場合もある。でも、結果的に嫌われているということには変わりはない。嫌われる勇気うんぬんの話をする気はないが、そういうこともあるという事実を頭の片隅に入れておいた方が良い。

相手に必ずしも媚びる必要はないが、関係を無駄に悪化させてしまう前に、自分の言動を変えることで不要なトラブルを回避できるのなら、ぜひそうして欲しい。逆に、心当たりは無いが、好かれていたり、高く評価してくれる人もいる。これもまた不思議な話だが、どちらにしてもラッキーな話だ。そういう人には特に感謝の気持ちを忘れずにいよう。どんなに心理学を勉強しようとも、相性は必ずと言っていいほどある。自分を責めすぎず、他人を責めすぎず、ほどよい関係を目指そう。

②相手の影響力に飲まれ過ぎないように。

今回の夢で、僕は相手の真剣さが伝わり、自己弁護する気さえ起きなかった。自分の悪行の数々を具体的に思い出すでもなく、なんとなく受け入れてしまった。もともと僕は善人ではない。なので、大なり小なり恨まれるようなことは無自覚にしてきたであろうことも受け入れている。夢の話ではなく現実でも。明らかに自分の本位とは違う解釈をされて、攻撃対象にされてしまうこともなくはないので、そういう時はさすがに悲しくなるし凹む。

それはそれとして、人の言葉には強いパワーがある。あからさまに強い意志を持って話をされると、なんとなく無条件で信じてしまうことはないだろうか。

たとえば悪徳警官の尋問をイメージしてみよう。「お前がやったんだろう? 証拠はあるんだ。悪意がなかった。100%本当に、心の底から思えるのか? 記憶があいまい? 本当に自分が白なら証明できるよな? やましい気持ちがあることは認めているんだよな?」などと、ずっと言われていたら、なんとなく、「もしかしたら、自分は何か大きな過ちを犯してしまったのかもしれない」と思って、植え付けられた情報をもとに「もしかしたら、それは私がやったのかもしれません………。」と自白をしてしまうかもしれない。

催眠暗示の一種と思って構わないが、潜在意識を書き換えられてしまうと、自分の記憶や感情、認識が変わってしまう。なんでもかんでも自分を正当化するのはどうかと思うが、感情が揺さぶられそうになった時は、一度深呼吸をして心と頭をクリアにしてから考え直した方が良い。じゃないと、勝手に悪人や罪人にされてしまう危険性がある。

また、相性の問題も関係あるのだが、自分と相性が悪い人間を悪人と決めつけてしまうのも、また危険だ。好き嫌いは別として、相手が悪いことをしているとは限らないのだ。罪悪感の欠如は致命的だが、無駄に自己評価を下げる必要はなく、無駄に自分を悪人と思い込む必要もない。

まとめ

悪夢を見て、後味が悪かったとしても、それを引きずる必要はない。怖かったという感情を否定するつもりはないが、目覚めたら、目覚めた先の日常が待っている。占いに良いも悪いもない。それをどう受け止め、どう解釈し、どう未来に役立てるかという意識が大事だ。

人には相性がある。勝手に恨まれることもあれば、好かれることもある。不要な人間関係悪化は防げるだけ防ぎ、日々、自分を取り巻く人たちに感謝しよう。相手の意見を聴くことは大事だが、相手の言葉を鵜呑みにして自分の評価や考えを操られないように気をつけて。物事は一旦冷静になって考える習慣を。




  

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