ココロセラピストが考える『グチリスト』のススメとは~正しい愚痴り方~

愚痴

愚痴は人類が滅ぶまで消えない。

愚痴は一般的によくないとされています。成功哲学系やビジネス系の本などにも、そのように書かれていることが多いと思います。僕も、そのようにお伝えすることが多いです。だからといって、実際僕がまったく愚痴らないかというと、そういうわけでもないんです。矛盾していると言われればそれまでですが、人生って矛盾の繰り返しなんですよね。

たとえば、僕もそうなのかもしれませんが、話を聴くというお仕事があるのは、自分の話を聴いて欲しい人がいるってことですよね。でも、自慢話や武勇伝をお金を払ってまで聴いて欲しい人って、少ないですよね。でも、ネガティヴな話ではあるし、もしかしたら理解も共感もされないけど、どうしても聴いて欲しいことってあったりするじゃないですか。そんなふうに考えると、愚痴って、未来永劫人類が滅びない限りなくならないと思うんですね。

僕も当然のごとく愚痴る。

僕も愚痴る、と書きました。だって、愚痴のひとつも許されない世の中なんて、ポイズンだと思うんですね。意味が分からなかったら、ゴメンナサイ。オヤジギャグです。わからなかった方は「ポイズン」「反町」で検索してみてください。

『グチリスト』とは。

ここで造語をひとつ。無理に覚えてくれなくても大丈夫です。試験に出るわけでもありませんからね。では、何故わざわざ造語を作ったのか。それは、良い意味の愚痴る人という概念を作りたかったからです。たとえば、悪い意味で愚痴る人って、『愚痴愚痴星人』とか、そんな感じじゃなかと思うんです。でも、良い意味の愚痴る人って、あまり良い言葉がないじゃないですか。だから、愚痴を適切に使いこなせる人っていう意味合いで『グチリスト』という言葉を作ってみました。その響きだけだと、悪いイメージな気もしますが、そこは笑ってスルーしてください。

『愚痴口星人』は何故迷惑なのか。

ところで、何故『愚痴口星人』は悪、というか、迷惑、というか、良くない存在なのでしょう。ネガティヴな言葉をたくさん使うから潜在意識がその影響を受けてしまうからでしょうか。おおよそ、そんな感じだと思います。さらに『愚痴愚痴星人』の場合、その愚痴が長いんですよ。気持ちはわかりますが。僕もその傾向があるので、注意してます。できてなかったらゴメンナサイ。どうしても、ストーリーで語りたくなってしまうんですよね。そして、そういう時に限って、ものすごく臨場感のある感情のこもった話し方になってしまうので、その気持ちがダイレクトに伝わりすぎてしまうんです。

極めつけは、その記憶がループしているので、気が付けば、何度も同じ場面を何度も何度もループして話しているんです。もう、自分では、ループしていることさえ気づいていないかもしれません。なので、聴き手からすると、迷惑でしかないんです。スピ界隈の言葉でいうなら『エナジー・ヴァンパイア』ですね。というか無限ループしているので、愚痴っている本人も、せっかく愚痴っているのにスッキリしないんです。誰得なんだろうって感じです。

人生、無条件で永続的にしあわせを感じ続けられるわけないでしょ。

愚痴は言わない方がいい。確かにそうなんです。理想を言えば愚痴を言わずに済む生活ができれば良いですよね。でも、現実はそこまでお気楽というわけにはいきません。人生って、学びの場ですからね。イヤなこと、ツラいこともたくさんあって、そんな経験を通して成長するというか。それに、そういうことを知らないと、本当の意味でのしあわせって実感できないんですね。しあわせな状態が当たり前だと、感謝の気持ちって湧いてきませんよね。その必要がないですから。

では、感謝の気持ちが出てこない人生に価値があるかっていうと、たぶん、ないんですよ。少なくとも人間として生まれたなら。だから、ネガティヴなことって、どうしても全回避は不可なんですね。「私は、絶対に愚痴なんて言わないわ……」と耐えて耐えて耐え抜く美学もあると思います。でも、それはそれでつらい選択だと思います。無理にポジティヴ・シンキングになれるわけもないと思うし。できる人もいるかもしれないですが。

『グチリスト』のススメ。

どうせ愚痴るなら、賢く愚痴りたいものです。できれば、愚痴らなくて済む程度でストレスを緩和出来ればいいんですが、そうじゃないことも、たくさんありますからね。なので、極力迷惑をかけず、最終的にネガティヴをポジティヴにフォーカスチェンジできるようにできたらと思います。ポイントは下記の通りです。

1. 何を伝えたいのかを最初に伝える。

「私の気持ちを、どうしても、少しでも、あなたに理解して欲しいんだ……」といえば、感情について意識して話を聴いて欲しいんだなということがわかりやすいです。「相談に乗って欲しいんだけど……」は、場合によってはお勧めしません。本当に相手の意見が欲しいときは構わないのですが、本当は自分の言い分を聴いて共感して欲しいだけだと、相手はそれが目的だとは思っていないので、会話が成立しなくなります。そうすると、「相談に乗って」と言った側がキレるという理不尽な状況になってしまうリスクがあります。

2. 内容をわかりやすく簡潔に。

『愚痴口星人』の話が長く、ループするとだということは御理解いただけていると思います。なので、スマートに愚痴るなら、短く、シンプルな方が良いです。簡単ではないかもしれませんが、きちんと要約できると、メリットがあります。まず、相手に話が伝わりやすい。同時に、自分自身が要点を理解できているということは論点が明確になるんです。そうすると、話しているうちに思考がまとまって、うまくいけば、無駄に愚痴る必要がなくなるかもしれません。解決の糸口が見えたり、または、思っていたほど深刻な問題じゃなかったということがわかるかもしれません。『愚痴口星人』はループするので愚痴ってもスッキリしませんが、これが可能になれば、ループしませんし、スッキリしやすくなります。話を聴いてくれている人も、手短に終わって、なんだかわからないけど、話し手が元気になってくれたら悪い気はしないでしょう。

3. 感謝。

これは愚痴の話に限ったことではありません。生きる上でもっとも大切なことのひとつです。少なくとも愚痴というのは少なからず相手に不快感を与え迷惑を与えていることは事実なので、聴いてくれたら素直に感謝をしましょう。感謝ができない人っていうのは、友達はできません。話も聴いてもらえなくなります。これは、あまりにも悲しいことです。嫌われる勇気とか、そういう話ではありません。感謝すべきところに感謝せず嫌われて何が悪いって開き直っている人は、ちょっと難アリです。これは超ド級の『ハイ・エナジー・ヴァンパイア』です。そして、自分さえ良ければ良いとは決して思わないことです。愚痴に限らず、常日頃から、一日一善とまではいかなくても、何かしら貢献してみてください。最後には見捨てられない人っていうのは、日頃の行いの良い人だと思います。

以上、3つのポイントでした。簡単に使いこなせるわけではありませんが、『愚痴愚痴星人』になって駆逐されるよりも『グチリスト』になって、共存しあえる生き方を意識してみることで、人生は少しずつプラスの方向に好転していくかもしれませんよ。

 

  

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