ココロセラピストが語る!? 人間って、怖いよね……。 ~それでも僕たちは生きていく~

ぼっち

MONSTER

浦沢直樹のマンガに『MONSTER』というものがあります。僕の大好きな作品のひとつです。

その存在を知った当時、あまりにも人物設定や環境設定などがしっかりしていて、明らかにマンガなんですが、ものすごくリアルな何かを感じて、いつもドキドキしていました。最近、再びアニメを観る機会があって、再び大興奮しています。

MONSTER

(MONSTER DVD-BOX/画像出典・amazon)

 

ヨハン

『MONSTER』の話を引っ張ってすみません。
この物語の敵はヨハンという青年です。とにかく、悪いヤツなんですよ。絶対に尻尾を掴ませないし。すごく魅力的なキャラクターです。
すごく悪いヤツなんですが、爽やかなんです。

もちろん主人公のDr.テンマというキャラクターも、ものすごく真面目で良い人で、責任感も強い、ものすごく魅力的なキャラクターです。

ちなみに、ヨハンは少年時代に、Dr.テンマに命を救われました。死にかけていたんですね。
しかし、せっかく救ったのに、実はヨハンは幼くして悪の塊的な存在でした。連続殺人鬼なのです。

MONSTER

(MONSTER/画像出典・amazon)

 

リアルな人間関係も似たようなものだよね……。

『MONSTER』はマンガですが、リアル社会も案外似たようなものです。
滅茶苦茶良い人って、たまにいるんですよね。どうしてこんなに優しいの……っていう人。
それっぽく演じている、見せかけだけの優しそうな人ならたくさんいるけど、自分の不利益なんか関係なくて誰かのために頑張る人って、少数ではあるけど、いますよね。

じゃあ、悪党はどうか。
ヨハンみたいなものすごく賢くて、人の命を軽く踏みつぶしてしまうような人。
流石に直接的に命を奪う人は少ないでしょうけど、人の人生を軽く踏みにじるような人は、ものすごくたくさんいる気がします。

悪人にも、いろいろな種類がいますよね。
良い人だったけど、闇落ちした人、悪を自覚しつつ、悪の道を突き進む人。

それはそうと僕が一番恐れているのは「自分さえよければ、後のことはどうでもいい人」です。
こういう人の怖いところって、他人が如何に傷ついているかを理解できないところなんです。
自分を悪だと思っていないんです。だから、躊躇しないというか、相手が痛み、傷つくことを最初から認識していないんです。

自分を最優先するのは決して悪いことじゃないです。
100%理想的な正義なんてないし、100%の優しさなんていうのも、きっと幻想なのでしょう。
時には必要悪だってあるのですから。

でも、清々しいほど爽やかで、パッと見良い人そうに見えると、いつの間にか、良いように利用されてしまったり、酷い目に合わされることもあるんですよね。
やましいことがなさそうすぎて、信頼してしまうというか、安心してしまうというか。

優しそうな人だなと思ったら、ただの臆病者だったとか、そういうのも怖いですよね。
いざという時、自分さえ生き残ればいいやと思ってしまうだろうから。

 

ぼっちが流行る理由がわかる気がする……。

生きていくためには、仮面を被って生活しなければなりません。義務じゃないですが。
だから、疲れちゃうんですよね。
如何にも、フレンドリーに装って、円満な関係を気づいている風でも、内心どう思っているかわからない。
それこそ、今じゃ、ネットで一気に悪評拡散なんて当たり前なんですよね。怖い怖い。

そう考えると、明らかに嫌ってくれている方が気楽なのか、表向きは普通を装って腹の裏では別のことを考えている人と関わる方が気楽なのか。
どっちもどっちですよね。

学校や職場では、その時間、関わりたくなくても関わらなければならない人が一定数はいるわけです。
相手の顔色ばかり伺っても困るのですが、相手の顔色も伺えないような人は、生きていけないんですね。

相手を思いやる気持ちのある集団に属せれば安心です。
でも、伏魔殿のような環境に身を置いてしまったら、生き延びるのが大変。
何処に敵が潜んでいるかわからないから。誰と誰が繋がっているのかわからないから。

「じゃあ、自分はどうなんだ……?」っていうと、やっぱり、感情があるから、好き嫌いは当然あると思うんですね。
別に誰かを嫌いになるのは構わないと思うんですよ。
ただ、悪意を露骨に見せてしまうと、その関係は修復できなくなってしまう可能性が高くなってしまうんです。

なんて、考えていると、だんだん、疲れてきてしまって、ぼっちの方が気楽でいいやって思ったりもする人がでてきても仕方ない気さえしてきます。

ぼっち

 

それでも僕たちは生きていく……。

ものすごく暗い話を書いていますが、それでも僕たちは生きていかなければならないんですね。
僕たちは聖人ではないから、悪の側面も当然あるし、ズルいところや、卑怯なところもあるんです。
だからといって、悪人ではないんですね。

僕たちは、どこかで自分自身に折り合いをつけなければならないんですよ。
人間を信じようとしたら裏切られたとか、いろいろあるかもしれません。

でも、事故かもしれません。運の問題だったのかもしれません。時には人間不信になることもあるかもしれません。

でも、だからなんだというのでしょう。自分自身を成長させるチャンスはいくらでもあるんです。
自分は他人とどんなふうにコミュニケーションを取りたいのか。相手にどんな気持ちになってもらいたいのか。
嫌いなら嫌いで、どの程度の距離を保てばお互いのリスクを最小限に関係を保てるのか。自分は相手を思いやれているのか。

そんなことを考えて行動しているうちに、僕たちは少しずつ成長できているんだ。
きっと、そうに違いない。

 

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