「あの……僕の車、ぶつけられてしまったんですけど……」「はぁ、そうですね……」
「ぶつけましたよね?」「はぁ、そうですね……」
埒があきません。
少なくとも彼の言動を思い返してみると、ぶつけたことに対するショックもなく、真っ先に自分の車の無事だけ確認して、僕の車は眼中にもなかった。
ぶつけられた車の所有者が目の前にいるのに謝罪のひとつもありませんでした。
普通に考えれば加害者はキチンと誠意を持って謝罪すれば、あとは保険会社が対応してくれると思うので、そんなに大事件にはならなかったと思います。
「まさか……サイコ……!?」僕は逆に焦ってしまいました。
幸運にも車に大きな損害もなかったので良かったですが、これで大破でもしていたらどうしたことかという感じです。
順当に考えれば警察を呼ぶのがセオリーだと思います。
話が長くなるので中略しますが、もしかしたら認知症かもしれないし、目の前は病院。クレームと言うことではなくて、病院の患者がリアルタイムで何をしていたかだけでも申し送って、あとは病院に任せようと思って電話しました。
もし認知症だとしたら、運転していたらかなりマズイと思うのですが……。
病院側は対応も良く、今から患者のいるベンチに行って話をして、後ほど僕に連絡をくれると言っていたのですが、僕はただ「ごめんなさい」という言葉を聞きたかっただけです。
そして、本人と直接会話をして、少なくとも罪悪感は皆無そうだったので、正直関わりたくないということもありませんでした。
サイコにしろ認知症にしろ、他人の車にぶつけて何とも思わない人が、患者だという個とは、同様の事故、事件を再び起こす危険性があるわけです。
必ずしも病院側の責任ではないかもしれませんが、同様のトラブルが起きないようにとだけ伝えて電話を切りました。
ホ・オポノポノ
今更ながらではありますが、「ホ・オポノポノ」という言葉をご存知ですか。
以前ちょっとしたブームになった言葉です。
先ほどお話しした出来事の影響もあり、ふとこの言葉を思い出しました。
「ごめんなさい」「許して下さい」「愛しています」「ありがとう」という言葉を唱えると心が浄化されるとか、ちょっとしたヒーリングの技法です。
ハワイの秘法だとか、スピリチュアルの一時的ブームだとか、そういうことはさておき、改めて考えてみると、この4つのワードは普遍的に大切な物だよなと思いました。
相手に対して、あるいは自分に対して、常にこの言葉を意識して接していたら、ココロは一層豊かになり、トラブルも最小限で済むと思うし、人生の質が向上するのではないかと思います。
先ほどの2つの事例だけで、全ての人が自分さえよければ良いと思っていると決めつけたりはしませんが、たった2つの事例でも、正直ダメージは大きかったです。
「謝ったら負け」「謝ったら相手がつけあがる」なんて言われている時代ではありますが、もし本当に悪いことをしたら素直にそれに気づき、謝れると気持ちいいですよね。
《ココロセラピストTATSUMI さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/%E5%B1%B1%EF%A8%91%E9%81%94%E5%B7%B3/?c=6713