ココロセラピストが語る！　子供たちの未来を考える!? ～無邪気な子供から無邪気さを守る～

思いやりだってそうでしょう。
何をしたら相手が喜ぶか。
まずは、それを感じ取って、そのために何をすれば良いのかを考える力が必要ですよね。
たくさん傷ついてきた人ほど優しくなれるって言いますよね。
もちろん傷が深すぎると、心身が病んでしまったり、極端に保身に走りだしたりする人もいますが。

わんぱく過ぎても、喧嘩っ早くても、人の話を聞かなくても、最初のうちって仕方がないと思うのです。

子供の社会、文化って繰り返しますが、大人とは違うのです。
物事の判断基準を構築中の時期だと思うので、能動的に何かわけのわからないことをしつつ、そんな中で失敗したり、痛い目を見たり、あるいは怒られたりしながら、子供たちはあれこれ吸収して学んで成長していくのです。

子供たちに、『模範的大人マニュアル～これさえ守れば無難に生きられる～』なんて与えて最初から無理に頭に叩き込もうとしたって意味はありません。
子供は理屈だけでは生きていけないのですから。

子供の世界を認識できない大人は、子供の気持ちを想像しづらいのかもしれません。
大人のモノサシで子供たちを見てしまうから。
だから、ときどき「うちの子、大丈夫なんかしら……？」みたいな親を見受けますが、何をもって大丈夫なのかが僕にはあまり理解できません。

身体的に熱が毎日40℃あるとか、そういうものなら大丈夫じゃないとわかりますが……。

でも、テストの点数が悪かったとしても、勉強の楽しさを知らないだけかもしれないし、必ずしも才能がないとは言えません。
勉強も運動も、平均的な点数を取れれば安心とか、普通とかいうのも、ちょっと違うのかなと思います。

平均的な人は成功者（……これも定義が難しいですが……）にはなれません。
逆に極端に苦手なことがあっても、うまく大人社会で生き抜ける人たちだっています。

甘えん坊の子が、ダメ男、ダメ子になるかというと、そういう訳ではありません。
本当に仲良くしたいだけかもしれません。

逆に自立心旺盛に見えるアクティヴな子だって、本当は周囲の事を考えてなくて、その場だけよければ良いと思って、好き勝手に生きているだけかもしれません。

どちらにしたって瞬時に相手の本質を見抜けるわけでもないので、結局は大人がじっくりと子供たちを見守って観察して、その都度、必要なサポートをしてあげる。これに尽きるのです。

だから、子供たちに奇妙なレッテルを貼ったり、疑惑を持つのは少し待ってあげて欲しいのです。

大人の役割って何なのでしょう。
自分に子供がいようといなかろうと、子供たちが安心して暮らせる環境を意識して作っていくことだと僕は思っています。

どんなに経済を回したところで、子供たちが生きづらさを感じていたら、良い国とは言えませんし、お先真っ暗です。

逆に、ちょっとくらい怪我をしても、子供時代に無茶できるモラトリアム期間を与えられると、そこでしか学べないことをたくさん学べるので自由にさせてあげて欲しいのです。

「あれはダメ、これもダメ」ではなくて。「泥遊びしたら汚れる」とか、そういうのもある程度は許してあげて欲しいのです。

それをするとワガママに育ってしまうと不安になるかもしれませんが、それは、子供たちとどのように向き合うかだと思います。

たとえば、危険な場所で遊んではいけないとかであれば、もちろん教えた方が良いです。その理由も。
何も教えないで「私、放任主義だから……」というのは違いますからね。

教えることはその都度教える。
経験を通して、タイミングを見計らって繰り返し教える。
善悪や物事の考え方を。
そして何より、思いやりの気持ちを。

そして、辛いとき、嫌な時は、何が自分をそういう気持にさせるのかを言ってもいい環境を与えること。

そうすると、大人と子供の世界がつながる道ができます。

双方が何を言っているか、はじめのうちは分からなくても、信頼関係ができれば、大人は子供を、子供は大人を理解しようという気持ちになると思います。

大人は子供たちを見はるのではなくて、見守る。危険を徹底排除するのではなく、めんどくさくても、ヒヤヒヤしても、その都度教える。そして、子供たちの気持ちにフォーカスする。

大人たちが子供たちに何かを望んでいるように、子供たちも大人たちに何かを望んでいるのです。
その温度差を、信頼関係を作りながら相互理解を目指すのです。

子供が無邪気に暴れまわって失敗しまくって、痛い目を見て……。
大人にとっては、それがストレスかもしれませんが、それをどのように見守ってあげるか。それが大事なのかなと僕は思っています。