イジメをイジメと認識できる人はまだ賢いです!
イジメ。
その言葉を使わなければ、イジメはイジメとして意識されることはないのかもしれません。
というのも、イジメの加害者が必ずしもイジメているという意識を持っているわけではないからです。
セクハラもパワハラも含めて、本人はそこに重要性を感じていなければ「これはマナー違反だよな……」と気づくことはないわけです。
大人の話をします。
これは僕がよく耳にする話です。
たとえば某会社に勤務している人たちがバタバタと倒れていったとします。
俗にいう病欠ですね。
そうすると、一部の人たちはほぼ必ずこういうのです。
「そんなことで休まれると困るのよね……」
「急に休まれても困るのよね……」
「点滴打ってでも出勤しようと思わないのかしら?」
「体調管理もできないなんて、情けないわね……」
確かに会社は社員でまわっているので社員に倒れられたり、休まれたりすると困るわけです。
そこまでは理解できるのです。
ただ、だからと言って『会社を休むなんて言語道断』的な思い込みで相手を一方的に責めてしまうのはナンセンスです。
実際問題、病欠している人というのは少なからず苦しんでいて、仮に出勤したとしても戦力になれない状態なのです。
「そんなこと」とか「その程度」とかいうのは本人が決めることであり、安易に口を挟める領域ではないのです。
しかも、この例の場合、バタバタ倒れているというところもポイントです。
社員が続々と倒れているという現象が起きているとしたら個人の意識レベルの問題ではないということに気づくべきです。
普通に考えれば『ブラック臭』がプンプンして、そこを改善しなければ、どんなに欠勤者を責めたところで問題の本質は解決しませんよね。
何かが社員たちを倒れさせているわけですから。
でも、そういうことに気がつかず、何でも意識レベル(気合い)に結び付けて相手を責める人って自覚は無くても間違いなく僕から言わせればイジメ加害者なのです。
苦しんでいる人に追い打ちをかけている時点でアウトですよね。
さらにイジメの認識がない加害者は自分こそが加害者なのに「○○さんが休むから私が被害を被ったわ……」と被害者意識を全開にしてきたりするわけです。
気持ちがわからないわけではありませんが、これも不思議と、加害者の一部の人たちは「我こそが被害者なり!」というのです。
ときどき「え? あなた、自分を被害者だと思っているの? どこからどう見ても加害者でしょ?」と思える人を見ると、認識が違い過ぎて長期戦、または炎上する危険性があるなと背筋が震えてしまうことがあります。
という具合でイジメ加害者の一定数は罪の意識なんてないのです。
どんなにイジメについて語ったところで、それがそもそも何なのかを理解しないタイプに出会ってしまったら、逃げるしかありません。
正論は通じません。
気がついたら、こちらが加害者にされてしまいかねないので、じゅうぶん注意して下さい。
イジメの4層構造とは?
教育心理学ではお馴染みの『イジメの四層構造』というものがあります。
学校以外でも通用する考え方なので紹介します。
①被害者 ②加害者 ③観衆(イジメを是認) ④傍観者(イジメを黙認)の4つにわかれます。
①被害者と②加害者だけならわかりやすいのですが、集団になると、その他大勢が直接的にしても間接的にしても関係が複雑になってきます。
加害者の影響力を侮らない方が良いです!
さきほど話した加害者意識がない加害者に通じるところがあるのですが③観衆は要注意です。
ノリでイジメに参加してしまったりする人っておそらく多いです。
「嗚呼、○○さんに対してそういう行動を取っても良いんだ……。俺もやってみよう!」という発想に至ってしまう人も現実的にいるのです。
もちろん、イジメ加害者がいちばんの問題ではあります。
それは言うまでもありません。
ただイジメというものは有史以来存在していて、残念ながらこれから先もゼロにはならないでしょう(決めつけはよくないですが……)
ただ一定数、善悪の判断が変わった人もいるので(それも個性と言ってしまえば身も蓋も無いのですが……)、イジメがエスカレートしてしまうような影響は普段から受けないように指導して行くことが大事です。
学校だろうと、家庭だろうと、会社だろうと、「こういうことは相手が傷つくから、しない方が良い(してはダメ)」ということは、特に、その集団のリーダーは常に周知し続けた方が良いでしょう。
それを怠ってしまうと、普段は無害な人たちが一瞬にして加害者に変わってしまうのです。
実際には手を出していないにしても、面白がっていたり、はやし立てたりしていたら、その時点でもう加害者の仲間なのですから。
ちなみに④傍観者の方がマシという意味ではありませんので、誤解のないようにお願いします。
負の連鎖を減らすことはできるから!
人生って不思議でいつなにが起きるか分かりません。
なのでイジメも、いつどこで発生するかはわかりません。
ただ、それでもイジメとは何なのかを普段から考え、悪い意味で影響を受けてしまう人を減らすことはできるのではないかと僕は思っています。
本当はイジメなんて存在しない方が良いです。
でも、万一起きてしまっても、不必要に事を大きくせずに小さいうちに対処できた方が良いですよね。
揉み消すとかそういう意味ではなくて。
人間は大なり小なり影響を与え、受けて生きています。
だからこそ、負の連鎖が大きくならないような影響力を僕たちは日頃から与える側でい続けましょう。
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