ココロセラピストが語る! 中高年ひきこもり61.3万人だって!?~これを期にみんなで考え直そう!~

引きこもり

悪意と偏見に満ちた言葉になっていないか?

『ひきこもり』と似たような言葉で『ニート』というものもあります。
どちらも、そうなのですが、就学、就業しない人という面にフォーカスしていますよね。

でも「私、働きたくない!」と思って有言実行している人が、ひきこもりになったりニートになっているとは限らないということを決して僕たちは忘れてはなりません。

なんらかの事情があるから、就学、就業できないのであり、解決すべき課題があるとすれば、まさにそこだと思うのです。

『ひきこもり=社会不適応』とか『ニート=社会不適応』と思い込んでいる人、多いのではないでしょうか。

ひきこもりやニートと呼ばれる現象が社会問題であると気づいたからこそ、そういう言葉を用いて打開策を見つけるために言葉を作ったはずです。
でも、それが悪意と偏見に満ちたレッテルになり下がってしまっていては、その言葉のせいで悪循環になってしまう危険性もあります。

それに、単純に考えて病気や何らかの障害がないと考えた場合、どうして、ひきこもりになってしまうのか。
どうしてニートになってしまうのか。

原因は多々あると思いますが、極論を言えば自分を取り巻く人間関係の問題ではないでしょうか。
もっというと身近に危険人物がいて、その人が与える影響力が強いから、ひきこもらざるを得ないとは考えられないでしょうか。

それこそ『ブラック会社』に毎日通うなんて誰だってイヤだと思うのです。
どんなに改善を求めても、どんなに誰かに救いを求めても、何の解決にも至らなかったら。
死ぬほど辛くなったりしませんか。

学校や会社で辛い目にあって、自分には合わず耐えられないという気持ちや状況を、もしも誰かが理解してくれたら、もしかしたら、ひきこもらずに済むと僕は思うのです。

学校だって会社だってある程度は妥協も忍耐も必要でしょう。
でも、彼らは決して、勉強する意思も働く意志も持ち合わせていないのかと言えば、決してそういうわけではないのです。

なら「家族に相談すればいいのでは?」と思うかもしれません。
ここがまた曲者です。

その家族が力になってくれなかったら。
あるいは追い詰めるような叱咤激励をしていたら。
あるいは無関心だったら。

もう、誰を信じて良いのかわからなくなりますよね。

引きこもり

「家族も信じられないなら出て行けば?」というのは、それもまた違うと思います。
家族に依存してひきこもりたいのではなく、四の五の言える状態ではないほど、追い詰められてしまっているのです。
誰に何と言われようと、自室に隠れるしか身を守る方法が思い浮かばないのだということを忘れないで欲しいです。

結局、未だに『根性論』で解決しようとする風潮があると思うのですが、僕たちがその考え方をやめて、別の考え方を模索しない限り、この問題は解決しないと思うのです。

偏見といえば精神疾患もそうです。
ひきこもりは精神疾患とは厳密には別モノです。
しかし、結局「メンタルが弱いから精神疾患になって、ひきこもるんだよ」と思っていませんか。

逆です。

自分を保てないほど危険な環境にいたせいで、逃げ場を失い、その結果、メンタルが壊れて行くのです。
病名の有無は別として、追い詰められすぎなければ、ひきこもらないのです。
単なる『インドア派』で済むのです。

「家にこもっていると生活できないよ?」というのは何の助言にもなっていないのだということを、ぜひ頭に入れておくと良いと思います。
当事者たちは、そんなことは理解できているのです。
すでに生活の質(QOL)が低下し、どうにもならないから、そういう状態にいるわけで、決して甘ったれているわけではないのです。

僕たちは『ひきこもり』を考えると、社会の脱落者と思ってしまいます。
問題は経済的なことであったり、世間体だったり、そういうことにフォーカスしがちです。
でも、お金があり余っていたら『ひきこもり』という生き方を選んでも、そんなに吊るしあげられることはないと思うのです。
せいぜい「変わった人だね」と言われる程度でしょう。
結局、『ひきこもり』を安易に考えてしまう人は、「その人」がどう困っているかではなく、経済的な問題や世間体にフォーカスしてしまっている気がするのです。

もちろん、生きていくためにはお金が必要です。
しかし、だから気合と根性で家から出して「仕事なんか選ばなければいくらでもあるんだから……」といって、背中を押せば本当に解決する問題なのだろうか。
僕は、そう思うのです。

人は、みんな悩んでいます。
誰だって悩んでいます。

「だから、お前も耐えろ!」ではなくて、だからこそ、お互いが病まずに心身共に健康に社会性を営めるように助け合う意識を持つことが結果的に『ひきこもり』の対策になるのではないかと思います。

 

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