それ、辛いの?
『辛さ』っていろいろあるのです。
このいろいろというのがミソです。
どういうことかというと、「そんなの辛いって言わないよ?」とか勝手に決めつける人っていますよね。
さっそくツッコミを入れますが「じゃあ、何をもって辛いというの?」ということなのです。
お金の有無ですか。
ではいくら以下なら「辛い」って言って良いのでしょうか。
僕よりたくさんお金を持っている人たち、いつも「足りない、足りない」って辛そうにしてます。
ではそういう人たちに僕が「そんなの辛いうちに入らないでしょ?」と言ったら、たぶん怒られると思います。
怒るのも当然です。
だって、本人が辛いと感じていれば辛いわけですから。
金額の問題ではないのです。
では偏差値や学歴ですか。
偏差値が高くて有名大学を出ていれば辛くないですか。
そんなことありませんよね。
常にハイレベルな戦いを強いられて辛いと感じてきた人だってたくさんいます。
努力に見合わない結果が出なくて世間的には褒め称えられても自分の中で納得がいかなければ、辛いですよね。
学校でも会社でも言えますが、イジメってありますよね。
イジメられていたら偏差値も出身大学も関係無く辛いですよね。
健康面でも辛さってわかりづらいです。
怪我をして血が出ていれば辛そうと思って同情されますが、目に見えない痛みって同情されないんです。
本当に辛いのに、周囲にそう見て貰えないのです。
内臓が悪い人は見た目では何が辛いのかわかって貰いづらいです。
心の病気もそうです。
本人がどんなに辛くても「そうは見えないけどなぁ……。大袈裟な人だなぁ……」なんて思われてしまうこともあるのです。
でも、辛いのです。
辛さに「大きい」も「小さい」もありません。
Aさんから見たら大したことではなくてもBさんにとっては深刻なほど辛いかもしれないのです。
それは決して嘘ではないのです。
逆にいつも辛そうなことばかり言っているのに、翌日になるとケロッとしている人がいます。
「心配して損した……」って思ったことがある人もいると思います。
正直めんどくさい人だなって思いますが、じゃあ、その人が本当は辛くなかったかというと、そうでもなくて、その時は少なくとも本当に辛かったのです。
辛さって、わかりづらいものなのです。
誰かの辛さを理解するためには、まずこのことを抑えておく必要があります。
えっと、人の辛さって理解できた方が良いのが前提で話をしていますからね。
否定されると辛いものだよ……。
「何をウジウジしてるの? 情けない……」みたいな態度を取る人っていますが、それは本人が決めることであって他人が決めることではありません。