なので、必ずしも傾聴が通用しない相手がいることも頭に入れておいた方がいいでしょう。
こちらが冷静だったとしても相手は時間が経てば経つほど攻撃的になってくるのです。
「本当にあなはた人の気持ちがわからない人間なんですね!」と結論付けて、人間としてこちらを認識してくれなくなってしまうのです。
ここで注意すべきことがあります。
相手が相手なりに怒りの原因を説明してくれていても、こちらに理解力がなさすぎたり、あるいは、自分も感情的になってしまっていて話半分で聴いていたりすると、折角のチャンスを逃してしいます。
そこは十分注意して下さい。
一般的にマナー違反な人も、クレーマーも、突如キレ出す人も、怒りの原因や、本当は何が望みなのかがわかれば、多くの人は時間がかかっても冷静さを取り戻すと思います。
攻撃的な人の怒りの原因は必ずしも1:1とは限りません。
「なんで、そんなことでキレるの?」と思うようなことでもキレて相手を攻撃して叩きのめそうとしてくるタイプは、おそらく根深い複合的な怒りの原因があるのだと思います。
そのような場合は関わるのであれば、相当時間がかかるのでそれは覚悟した方がいいでしょう。
怒りの原因を誰かのせいにしたい
なぜそんなにまで攻撃的なのかわからないけれど、とにかく直ぐにキレる。
こういう人は、本当は自分が何に対して不安や恐怖、あるいはストレスを感じているのかがわかっていないのです。
そして、どうなれば自分の心が納得し、満足し、喜ぶのかもわかっていないのです。
よって、その怒りが攻撃的な衝動にかられてしまうのかもしれません。
おそらく攻撃的な人はものすごく迷惑な話ではありますが、つらくて仕方がないのです。
だから、言い切ってしまえば、何でも良いから、誰でも良いから、怒りの原因をなりつけて攻撃してスッキリすれば、溜飲が下がり、次第に癒されて来ると思い込んでいるのです。
はっきりいえばどうにもなりません。
最大限の妥協案として「よくわからないけど、自分が悪かったことにして謝ろう」と思ってしまった時は特に注意が必要です。
攻撃側が何に対して謝罪しているのか説明を求めて来ると厄介です。
実際問題、こちらに落ち度はないのに相手が一方的にキレてきているわけですから。
適当な理由をつけて謝ってしまうと不利になってしまいます。
さらに相手が満足するような理由を言えなかったら怒りがエスカレートし、一層攻撃を仕掛けてきます。
仮に運良く(?)謝罪が伝わって、相手の溜飲が下がったとしてもまだ警戒が必要です。
根本的な怒りの原因はほぼ現役で残っているのですから。
次の瞬間にまた別の理由をつけて攻撃に転じて来る危険性が高いのです。
僕たちにできること
では、こんな攻撃的な人たちが多い世の中で、僕たちにはなす術がないのでしょうか。
残念ながら秒速で解決する方法はありません。
これは長い長い時間をかけて、そういう環境を僕たち自身が生み出してしまった結果なのです。
四方八方そういう人がいるとすると、それは特殊なケースでも何でもなく、それが当たり前になってしまっているということなのです。
攻撃ばかりして来る人がいたら、こちらも自然と影響を受けて攻撃的になってしまいます。
正当な理由があろうとなかろうと攻撃をしたら攻撃されます。
まずは、負の連鎖を食い止める意識が必要です。
決してそれはやられっぱなしで良いということではありません。
相手の怒りを増長させない事。
自分も相手に飲まれて攻撃的な人間になってしまわないこと。
無関係な第三者を攻撃してしまう前に、怒りの感情がでてきたら、その都度、それを対処すること。
普段から周囲に思いやりの心を持って接すること。
「売られた喧嘩は買う」ではなくて「売られた喧嘩を買う前に最善の策を考える」という意識を持って下さい。
それに何の意味があるのかと思うかもしれません。
でも意味はあります。
攻撃をしない人が増えれば環境が変わります。
時間はかかりますが、攻撃しない社会を作るのがいちばんです。
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