ココロセラピストが語る!『ホドホドストレス』とは? ~ストレス・ゼロは幸せにはつながらない~

では、ネガティヴは必ずしも悪いもので、ストレスを感じると必ず不幸になってしまうのでしょうか。
それもまた極端な考え方だと言えると思います。

ネガティヴというのは悪い方向に物事を考えることです。
なぜ僕たちはそもそも悪い方向に物事を考える必要性があるのでしょうか。
それは危険を回避するためです。
あるいはリスクを最小限にするためです。

ネガティヴだと確かにストレスはたまります。
でも、そのストレスというのは言うなれば緊張感です。
ストレスフルな状態はさすがに問題ですが、ホドホドのストレスはむしろあった方が良いこともあります。

たとえば、接客業を想像してみましょう。
常にお客さんに見られているのでストレス状態ですよね。
それというのは「だらしない人と思われたらどうしよう」「態度の悪い人だと思われたらどうしよう」というネガティヴさがそうさせているわけですよね。

だらしない人、態度の悪い人と思われるということは、接客業としては致命的です。
お客さんが帰ってしまいますから。

何が言いたいのかというと、お客さんが帰ってしまうということは商品が売れないということ。
商品が売れないということは給料に反映されないということ。
つまり命の危機ということを意味します。

だから、ネガティヴな感情で適度なストレス状態を作りだして緊張感を保とうとさせるのです。
そうすれば、若干疲れるかもしれませんが、シャキっとしていられれば印象もよくなりますし、お客さんの印象が悪くなることもないのです。

恋愛でも同じですよね。
デートに時にオシャレするのは相手に嫌われたくないからですよね。
会話の内容も気にしますよね。
相手に不快感を与えないように気を使いますが、それってストレスなのです。
でも、そのストレスがあるから気遣いにつながるのです。

ポジティヴでストレス・フリーで「ありのままの私でいいじゃん!」とか言って、鼻毛が出たままデートに行ったら、人によっては笑って許してくれるかもしれませんが、次のデートのチャンスを逃してしまうかもしれません。

夫婦関係もそうですよ。
新婚ホヤホヤの時期を過ぎて緊張感が無くなってくるのは良いことだと思います。
ずっと必要以上に気を使い過ぎていたらそれこそストレスの重圧につぶされてしまいます。

でも、夫婦生活がマンネリ化して「ま、大丈夫だろう……」と変にポジティヴ(?)になっているとどうなるか。
飽きられるか、見限られるか、新しい刺激を求めて不倫されたりするのです。
相手を信頼するのは大事ですし、緊張状態が強過ぎるのも問題です。
でも、ある程度は危機感(ネガティヴ)を持って、ストレス(緊張感)があった方が、結果的に自分のためになるとも言えるのです。

 

人は○○に慣れてしまうと幸せではいられなくなる

人は幸せが続くと、そのありがたみがだんだん薄れてきてしまうものです。
しかし、大なり小なりその幸せが無条件に永遠に続くと思わない方が良いです。

「幸せはどうせすぐに終わってしまうんだ……」とスーパーネガティヴになれと言っているのではありません。
幸せが永遠に無条件に続くという保障などないのです。
そう考えるのはネガティヴですし、ストレスがたまります。
でも、だからこそ今この瞬間の幸せに感謝することができるし、ありがたみを感じることができるのです。

それに絶対に勝てるゲームっておもしろくありませんよね。
負けるかもしれないというネガティヴさとストレスが逆にゲームを面白くしたりしますよね。
人生とはそういうものなのです。

だから僕たちはホドホドにストレスを持っているくらいでちょうど良いのです。
その緊張感が、結果的に明日の更なる成長と幸福につながるのです。

なにごともバランスです。

 

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