ココロセラピストが語る!『人は期待にこたえてくれるわけでもなければ、場合によっては裏切る ~人間関係で必要以上に悩まない生き方~』

人間関係の悩みは半永久的に続く

僕たちは常に人間関係で悩んでいます。
カウンセリングのクライエントさんたちに多いテーマと言えば、家族、不倫、恋愛が多いです。

どれも恋愛がらみではないかという気もしますが、それは結果的に女性のクライエントさんが多いからで、男性でしたら職場の人間関係を真剣に悩んでいる方も多いのではないかと思います。

夕方以降、カフェやフードコートに行くと、誰かに対する不平不満を永遠に語っているオバチャンたちと遭遇する率が高いので僕は極力近づかないようにしているほどです。

いつの時代も、何処かで誰かが人間関係で悩んでいます。
生きて行く以上、僕たちは誰かと関わり続けなければなりません。

一方で自分が誰かのことで悩んでいるように、誰かがあなたのことで頭を抱え込んでいる可能性があるということも決して忘れてはなりません。

 

万人ウケという幻想

人は自分と誰かを比べたがります。
自分より優れた人は四方八方います。
でも、それは良いことなのです。

なぜなら、みんながみんな自分と同レベルだったら世界はよくなりません。
場合によっては悪化してしまう危険性すらあるからです。
そう考えると、嫉妬するほど優れた人たちが周囲にたくさんいることは素晴らしいことなのです。

人間関係で優れた存在と言えばカリスマです。
僕たちは気がつけば、カリスマの取り巻きになっています。
同時に別のカリスマに対して嫉妬していたりもします。

そこで気がついて欲しいことがあります。
自分がいつの間にか相手の術中にハマっている場合は別として、嫌いなカリスマも存在しますよね。

「なんで、あんな人がカリスマなんだろう? 私には理解できない!」というセリフを聞いたことがありませんか。
もしくは自分自身が口にしたことはありませんか。

つまりカリスマが圧倒的な存在感を持っていても『万人ウケ』しているわけではないということなのです。
僕たちはついつい誤解をしてしまいますが、カリスマが必ずしも誰にでも愛されているわけではないのです。

これは極めて重要なことです。
何が言いたいのかというと、僕たちが誰か持っている嫉妬心は本当は極めて不正確なものであり、幻想だということなのです。

確かに一定数の人気はあると思います。
その一定数でさえ羨ましいと思います。
でも、それだってその裏で割に合わない営業スマイルや営業トークを繰り広げてやっと手にしたポジションかもしれません。
それも含めて本当に嫉妬するほど羨ましいのかということを考えてみて下さい。

僕たちはかって思い込みで「あの人は、運や天、あるいは特定の大物が味方して、何の努力もせずに、何不自由なく、挫折経験もなく、チヤホヤされているに違いない」と思い込んでいる気がします。
でも、実際は違います。

本当に嫉妬するほど羨ましいのであれば、そのカリスマが見えないところで何をしているのか、良いことも悪いことも徹底して考えてみて下さい。

場合によっては悪知恵を駆使している可能性だってあります。
そのカリスマの裏の本質を軽視して勝手に嫉妬しない方が良いです。

僕たちは幻想に踊らされているだけに過ぎないのです。

 

嫌いな人がいる

嫌いな人はいても良いのです。
先ほども話しましたが、カリスマでさえアンチがいるのですから、普通の人が万人と仲良くできるはずもありません。

だから「誰かを嫌っている私が嫌い」と無理に思わなくて良いと思うのです。
相性は大事ですから。
「社会というのは相性がどうとか甘いことを言っている場合ではない。誰とでもやりあえるスキルがなければ通用しないのだ!」と声を大にして叫ぶ人も多いですし、それも一理あると思います。

しかし、これもよく考えて欲しいのですが『誰とでもやり合えるスキル』を目指すのは良いことだと思います。
ただ、それは『仲良し』ではありません。
嫌いかもしれませんし、苦手かもしれません。
決して、その人を好きと思えなくても良いのです。
ただ、何かされたのでなければ必要以上に恨んだり憎んだりしないことです。
まずは、それで十分です。

たとえば嫌いな人や苦手な人がいても、乱暴な言葉を使ったり、睨みつけたりせずに、最低限の礼儀を持って接していればリスクは最小限に留められると思います。

「私は我慢して丁寧に嫌いな人と接していますが、私の誠意を無視して相手は私に酷い扱いをして来るので許せません!」という人がいます。

それはそうでしょう。
変えられるのは自分だけ。
相手を変えようと思っている時点でそれは間違いなのです。

少なくとも「私はあなたの敵じゃないよ……」ということを長い時間をかけてわかってもらえれば、運が良ければ関係が改善するかもしれません。
ただ、それだけなのです。

「私は我慢してるのに……」「私は耐えているのに……」というセリフの後にはこう続きます。
「あなたは私の求める期待に応えてくれない!」と。

つまり、無意識ではあるかもしれませんが、相手に過度な期待をしてしまっているのです。
しかし、「私は○○してるんだから、あなたは××しなければならない」という暗黙の強制力を働かせようとするとそれは見事に打ち砕かれます。

普通に考えればわかると思います。
たとえば「私はサービス残業してるんだから、あなただってサービス残業しなさいよ」と言われたら、腹が立ちませんか。
そもそもそれは違法ですし、強要することは許されませんよね。
それと同じなのです。

自分がどういう言動で誰かと接しようとも、相手に何かを期待すべきではありません。
交渉したいことがあるのなら、姑息な手段を使わずに素直に交渉した方が清々しいと思います。

また相手との距離感を本当に縮めたいのなら、相手をどうこうするのではなく、自分が誠意を見せ続けるしかありません。
相手が変わる、変わらないという問題は結果論です。

「ほら、やっぱり、あいつは私がどんなに気を使っても恩を仇で返す……」と思いながら接している以上、信頼関係など成立しないのです。

それに、良好な人間関係に見えていても、稀に『裏切り者』だって存在するのです。
でも、それも含めて、覚悟して、自分が相手に、どう接していきたいかが重要なのです。
相手に何を望むかは問題ではないのです。

 

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