小室さんが問題提起した介護の問題
「不倫の話を聞きたいのに話題を反らすな！」と言っている人もいるようですが、この問題も軽視すべき問題ではないと思います。
むしろ、不倫よりもこちらの方が、少なくとも今の日本にとっては重要だと思います。
介護ストレスがあれば不倫をして良いのかというと、それは別問題です。
でも考えてみて下さい。
今は『介護疲れ殺人』が社会問題になっている時代なのです。
それほどのストレスが介護にはあるのです。
施設に入れれば解決するでしょうという問題ではないのです。
仮にそのストレスが不倫に繋がってしまったとしても、殺人にならなくて良かったなって思いませんか。
一歩間違えば人の命を奪ってしまうほどのストレスです。
でも、結局、日本の福祉って遅れているのです。
介護と言えば高齢者。施設。終わり。こういうイメージだと思います。
しかし、介護は高齢者だけの問題ではありません。
怪我で障害を持ってしまった方、病気で自由が利かなくなってしまった方、知的あるいは精神に障害を追ってしまった方のケアだって大変なのです。
もちろん程度の差はありますが……。
客観的に聞く分には「大変ね……」で片づけられますが、では当事者や家族のストレスは誰がケアしてくれるのでしょうか。
公的機関ですか。それとも施設ですか。
特に日本（海外の事は知りません）は、まだまだ病気や障害に対する理解は乏しく、差別や偏見、奇異な目で見られるリスクも高いです。
たとえば小室さんの例で言えば「奥様の症状って××で▽▽らしいよ」なんて情報が漏れたら、あっという間に奥様のプライバシーはあっという間には噂になってしまいます。
それを理解してくれて共感してくれてサポートして貰えるならまだしも、単なる世間話のネタにでもされたらとんでもありません。
芸能人であろうとなかろうと、噂のネタにされるのは決して良い気分ではありません。
そう思って、誰に相談して良いかわからない場合、介助者が抱え込むことになってしまいます。
話は逸れますが精神疾患の方の家族は特にそういう点で辛いのではないかと思います。
中には病気を必死で隠す人もいると思います。
だから、一昔前まで座敷牢なるものが存在していたのだと思います。
そうしたストレスで自分を見失ってしまった。そういうことは誰にでもあり得るのです。
少なくとも今の環境では。
では、どうしたら良いのか。
それは僕にはわかりません。
ただ、そんな状況で自分を見失って結果的に悪い方向に進んでしまった時に、吊るしあげられてネタにされるだけの結末しか待っていない人生なんて一体誰が望んでいるでしょうか。
そうならないためにも、人と人との心と心の交流を、具体的な知恵や支援を共に考えていく必要があるのではないか。
あくまでもこれは僕の解釈ですが、小室さんは決して不倫疑惑の話題を反らしたかったのではなく、目の前に突き付けられた現代日本の闇に光を当てて欲しいと願ったのではないかと思うのです。
追伸
小室哲哉さんの一ファンとして、出来ればこれからも音楽活動を続けて欲しいです。
でも、無理をせず、やりたいときにやる。休みたければ休む。
奥様を大切にしながら、無理のない範囲で、誰に媚びるでもなく自分らしい生き方をしてくれたらと心から願います。
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