ココロセラピストが語る!『改変された物語』とは? ~マルチバース化する絵本の世界~

僕はいろいろなヴァリエーションが増えるのは肯定派です。

都市伝説だよね、桃太郎さん?

僕は都市伝説が大好きです。
でも、好き過ぎると「嗚呼、またそれか……」という話になってしまって、目新しい情報を得るのは難しくなって来ます。

ところが最近、とても興味深いエピソードを知りました。
それは昔話『桃太郎』のラストについてです。
なんと、最近の桃太郎は、ラストで鬼と和解して終わるというのです。

「そんな、無茶苦茶な! ネタでしょ!」と、思わずツッコミを入れたくなりますが、本当かもしれない。
実際に自分で図書館や書店で本を入手して検証すればいいのでしょうけれど、嘘のようで本当のようにも思える話だからこそ、都市伝説なわけで。

 

『ドラゴンボール現象』

桃太郎が鬼退治に行って和解して完結、というこの都市伝説が嘘か本当かは別として、とても興味深い話であることは事実です。

この改変された桃太郎の話を聞いた時に、ふと『ドラゴンボール』というマンガを思い出しました。
ドラゴンボールは孫悟空という主人公が次々に現れる強敵と戦って、どんどん強くなって行くというストーリー展開です。

不思議なことに孫悟空が大人になった頃くらいから、奇妙なパターンが出来てきました。
それは、敵と戦うだけ戦うと、なんと! 敵が孫悟空の仲間になってしまうのです。
しかも世界征服をしようとしているレベルの人たちと、です。(※作者の手を離れて以降は知りません)

命を賭けて戦って、しかも世界征服をしようとしている人と仲良くなるって、普通に考えたらスゴイ話ですよね。
もちろん、理想を言えば、誰とでも仲良くなってハッピーエンドになればいちばん良いと思います。
とにかくそういう路線なので、新しい敵が出ても「仲間になるかな?」なんて疑いもせずに考えてしまったりするイメージが僕の中に定着してしまいました。
ただ、なんでそういう路線になってしまったのかは、未だに気になって仕方がありません。

日本人だけでなく世界中で有名なこのドラゴンボール。
もしかして、このドラゴンボールのプロットが、『昔話改変説』に影響しているのではないかと思うのは僕だけでしょうか。
……というわけで、僕はこの「敵も味方になってめでたし、めでたし」という雛型を『ドラゴンボール現象』と勝手に呼ぶことにしました。

 

元の話は謎だけど……。

よくよく考えてみると、ドラゴンボールは鳥山明先生の作品だと、誰でもわかります。
知らなくても調べればわかります。

一方で昔話は原作が誰なのかというのは、あまりわかっていません。
「この人かな?」くらいならなんとなくわかったりするのかもしれませんが、真相は闇の中です。

そして、昔話というのは、当然古い話なので、今のような出版技術があったわけでもない時代から、口頭伝承として語り継がれて来たわけです。
そうすると伝言ゲームや都市伝説と同じで、伝わって行くごとに情報がマイナーチェンジを繰り返し、いつの間にか元ネタが謎と化してしまいます。