疲れた……
あなたは疲れていませんか。
おそらく「私は疲れなんて知らないわ!」という人は殆どいないと思います。
逆に疲れを知らない人というのはある意味問題かもしれません。
僕も当然疲れる事はあります。
でも、それはとても大切な事なのです。
疲れ知らずの超人
よくマンガなどで疲れ知らずの超人みたいな存在を作ろうとする悪の科学者とか出て来ますよね。
具体的な作品名は出て来ませんが、定番のパターンとして。
確かに疲れ知らずというのは理想的ではあります。
ずっと生産的な活動が出来るから。
でも、これって問題が無いわけではないのです。
仮に自分が『疲れを忘れる薬』を手に入れて飲んだとします。
文字通り、疲れという感覚が頭から消えます。
仕事も勉強もいくらでも出来ます。
「やる気」さえあれば、何時間だって出来ます。
その後で、思いっきり遊びに行くこともできます。
疲れないので24時間フルで動けます。
お腹も空きません。
眠くもなりません。
もし、それが現実だったら幸せでしょうか。
確かにそう思えるかもしれません。
しかし、そこには盲点があるのです。
それは、「疲れ知らず」であっても疲れそのものが無いとは限らないという事です。
稀に「私、寝なくても大丈夫!」とか言っていつもハイテンションな人がいます。
実は彼らは決してパワフルなのではなく、単なる不眠症で躁状態なだけかもしれません。
パッと見、元気に見えますが本当は元気では無いのです。
そうなってくると、本人に自覚が無いので、ある時バタンと倒れてしまう危険性だってあるのです。
本当は疲れているから。
「疲れを知らない=疲れない」というわけではないのです。
また、倒れないまでも、自分では気がつかないうちに、日常生活こそ送っているけれど、集中力がなくなったり、細かい作業ができなくなったり、人との会話がチグハグになってしまったり、または覚えていなかったりという症状が出て来る人もいます。
たとえばそんな状態で毎日、学校や会社に通い続けたとします。
集中力が無い、細かい作業が出来ない、話が噛み合わない。すぐに忘れる。
その結果、大なり小なりトラブルやミスが出て来るのです。
すると徐々に「もしかして私は頭が悪い人間なんじゃないかしら……」と思えて来るのです。
人は誰でも個人差がありますので、疲れていようがいまいが、苦手なモノは苦手なものです。
しかし、本当は疲れが原因で能力が低下している可能性もあるのです。
ということは、きちんと疲れを取れば能力がアップする(本来の能力が出せる)ということも十分にあり得るのです。
疲れを知る!
そのように考えると、疲れという存在はあながち軽視しない方が良いのです。
むしろ「疲れ知らず」ではなく「疲れを知る」ことが大事なのです。
「疲れを知る」というと僕たちはどうしてもネガティヴに捉えてしまうかもしれません。
確かにいつも「疲れたなぁ……」と言っている人がいたら、自分にまで疲れが伝染して来そうで憂うつな気持ちになって来ます。
しかし「疲れたな」と感じる事は決して悪いことではありません。
言う事も、それほど悪いことではありません。
「疲れたな」というのはつまりイエローシグナルの状態なのです。
信号機は青なら進めます。
赤なら進んではいけません。
黄色は「さて、どう対処しようかな?」という間です。