前回に続き、屋久島の神様に愛される作法をとくとご覧あれ!
聖なる存在を求める伝統の中の神秘
屋久島の地を踏むならば、それなりの心構えで訪れたい。だって、「どんな人でも癒される」と言われるほどのパワーがあるのだから。美しい自然を満喫しつつ、心の掃除をして、運命には神様のご加護を!
屋久島には「山岳信仰」というものがある。海と山の神様を敬い、岳参り(註1)をするという。その時、神様へのルートがあり、ルールもある。それは地元の人のものだけれど、屋久島の神様への礼儀もそこにあるはず。私たちも参考にしてみよう。
註1.タケマイリ:御岳にまつられている神様に島の繁栄を誓願するために山に入ること
山岳信仰は海と山の神様を祀る。祠も二つあり、それぞれの神様がお入りになる。
御神体。もちろん今は御霊を抜いて保管してある。
岳参りのごく一部をご紹介
岳参りするときはまず、氏神様の前の海でお清め。ここで、砂浜やホンダワラ(註2)を手にし、山の神様へお供え物として持っていく。
註2:海産の褐藻。しめ縄にも使われる
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楠川神社。島の集落にそれぞれ神社があり、各自そこでお参り。氏神様を大切にしていて、神社は身近な存在。※この岳参り例は楠川集落の場合
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正木(村落と麓の境目)にある「一品法寿大権現(イッポンホウジュダイゴンゲン)」と書かれた碑。屋久島最高位の神とされ、由来は諸説ある。
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碑を少し上るとある手水所(註3)。村落や麓、森などの、昔の人が決めたであろう境目を今も大切にしていて、神と自然を敬う心を養ってきた。
註3:チョウズドコロ/神仏を拝む時に手水をつかう所
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一品法寿大権現の祠。無事に岳参りから帰って来られるように祈りを捧げる。また正木は山から帰って来た人を酒宴で迎える場でもある。
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野の分け(麓と山の境目)。ここは聖地への入り口。お賽銭を発見。神を敬い、山を畏(おそ)れ、自然を愛する屋久島の人の心を感じた。
地元の上屋久町歴史民俗資料館で聞いた、おすすめのスポット
島の歴史を刻みつつ静かにたたずむ神社
屋久島で最も古い神社。宮之浦港近くにあり、奥の宮は宮之浦岳に鎮座。浜辺と山頂にあることから、海と山に生きる島の生活がうかがえる。
益救神社仁王像。
風化した石に宿る神
海を見つめて島を守る
「とても古いえびす様だよ」と言われ案内されたのは、とある民家。その家の方に断り、敷地内を横切りご尊顔拝見。案内なしで行けないのが残念。
海を目前にしばし瞑想、心を解き放ってみて!
えびす様の前の海辺。ただしここも案内がないと難しい場所。海辺の神社や祠がたくさんあるので、マイスポットを見つけて。
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TRINITY●SPOT
渦を巻くようなエネルギー。編集部が独自に感じた、見つけた、おすすめスポットを紹介!
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雨が多く天気が変わりやすい屋久島。でもそんな時に降り注ぐ光のカーテン。どこからでも見えるから、時には空を見上げてみて。
空港から車で10分程度。海岸沿いにチラリと見える赤い鳥居。どうしても気になり行ってみるとすごいパワー⁉︎ 古瀬田の山海荘近くにあります。
偶然、新婚旅行中の方と知り合い、教えてもらった湧き水。その名も「幸福の水」。まさに恩寵。起源杉から8キロが目安。