睡眠不足から起こる可能性のある6つの病気〜睡眠不足が原因で起こりうる疾患とは

睡眠不足に悩まされている参加者20名は、残念なことに自殺をしました。 これにより、常に睡眠に問題のある人たちは自殺するリスクが1.4倍高いということがわかりました。

睡眠は、長くストレスの多い一日の後に自分をリチャージするもので、心と体の両方の全体的な健康にとって非常に重要なものです。

睡眠中には脳に重要なデータが保存され、細胞レベルでは傷ついた組織を修復し、再生させるなど体内で数百万ものプロセスが続けられています。

その一方、睡眠不足の時はこういったすべてのプロセスを行う時間が足りず、起きた時に不機嫌で一日中集中することが難しくなります。
そしてもっと深刻なのは、健康にかなりの危険性をもたらしかねないような多くの副作用を経験するということです。

睡眠不足は心臓疾患や糖尿病、がんなどの深刻で、時には命取りにさえなりかねない症状を引き起こす可能性がある、ということが複数の研究から明らかにされています。

睡眠不足が原因で起こりうる疾患6つを次にあげました。

 

★心臓疾患

心臓の疾患と睡眠不足の関連性についてはこれまで数度、示唆されてきました。
しかし両者に強い相関関係があることを示す最も有力な証拠は、欧州心臓病学会(ESC)の年次会合であるEuroHeartCareで発表された最近の研究によるものでした。

この研究では14年間に渡り、257名のロシア人男性(25~64歳)の追跡調査が行われ、心臓発作を経験した被験者の3分の2には睡眠障害があったことが明らかになりました。

さらに睡眠障害を訴えた男性は心臓発作を経験するリスクが5分の1から4倍まで高くなり、心筋梗塞は2.6倍、リスクが高くなっていました。

 

★潰瘍性結腸炎(UC)

2014年のある研究によると、睡眠不足と睡眠過多は消化管の内膜に潰瘍が原因で発生する炎症性腸疾患の一種、潰瘍性結腸炎やクローン病の原因となる可能性があるとしています。

マサチューセッツ総合病院所属の専門家の発見からは、適切な長さの睡眠はこういった病気の原因となることの多い消化器官内の炎症反応を抑制するために不可欠であることが明らかにされています。

看護師健康調査(NHS)に登録女性を対象に行われた研究では、一晩当たりの睡眠が6時間以下に下がると潰瘍性結腸炎にかかるリスクが上がることがわかりました。

また睡眠時間が9時間を超えた場合もリスクが上がったため、このような病気の予防には6~9時間内が適切な睡眠の長さであることが明らかになりました。

この結果は成人女性で確認されただけですが、睡眠不足による潰瘍性結腸炎の発症リスクの増加は、体重や年齢、飲酒や喫煙などの生活習慣などの他の要因に関係なく確認されました。

 

★肥満と糖尿病

十分でない睡眠と糖尿病の関連性についてはこれまで複数の研究や科学者から指摘されていますが、シカゴ大学による調査によれば睡眠不足が肥満の原因となり、その結果として糖尿病の原因となる可能性があることがわかりました。

血中の脂肪酸レベルは血糖値を調整するインスリンの速度や機能に影響を与えます。
そのため専門家らは睡眠不足が脂肪酸に与える影響を分析しました。

男性を対象に19の異なる睡眠パターンを分析したところ、4時間ずつ3晩寝ていた被験者は午前4~9時の間に脂肪酸レベルが上昇することがわかりました。
これは毎晩8時間半の睡眠をとっていた男性と比べて15~30%増に相当します。
また脂肪酸レベルが上昇することでインスリン耐性の程度が強くなる、つまり糖尿病の前段階になります。

 

★アルツハイマー病

2013年、ジョンズ・ホプキンズ病院で行われた研究では、睡眠不足はアルツハイマー病の原因となることがあり、また進行の速度に影響を与える可能性があることが明らかになりました。

「脳内の老廃物」が脳内から除去されない場合には蓄積され、認知症を引き起こす場合がありますが、これ以前に行われた研究では、脳が「脳内の老廃物」を除去するために睡眠がとても重要であることが明らかになっていました。
上記の研究はこの研究に基づいたものです。

研究には53~91歳の70人の成人が関係し、毎晩、睡眠不足の場合にはβアミロイドの堆積量の増加を引き起こすことがPET(放射断層撮影法)スキャンで確認から明らかになりました。

この合成物はアルツハイマー病の決定的な指標で、睡眠不足は脳をこの形式の「脳内の老廃物」を阻害することを示唆しています。

 

★前立腺がん

2013年発行のCancer Epidemiology, Biomarkers and Preventionという学術誌に掲載されていた研究によると、睡眠障害のある患者では前立腺がんの件数が増加し、進行を進めることが明らかにされています。

67~96歳のアイスランド人男性2,425人を対象に、3~7年の追跡調査を行ったところ、入眠に問題のある60%の男性に前立腺がんの発症のリスクが高くなることが明らかになりました。
その数値は、睡眠を維持することに障害を経験した男性の場合、倍になりました。

さらに睡眠に障害のある人はまた、前立腺がんの後期がんを発症する可能性が高かったのです。

この関連性は、研究家によれば睡眠を規則的にさせるホルモンのメラニンに起因していると考えられています。
メラトニンのレベルが高い場合は腫瘍の成長が阻害されますが、人工的な照明(睡眠不足の原因である場合が多い)に長時間、晒さらされた人のメラトニンレベルでは、腫瘍の成長がより攻撃的であったことがわかっています。

 

★自殺

2014年の研究では、睡眠不足の成人は自殺件数が増加する関連性を証明されています。
以前にうつ病の既往歴があったかどうかには関係がありませんでした。

スタンフォード大学医学部の研究員は10年に渡る研究を実施しました。
中、高年420人の参加者が関与しました。

睡眠不足に悩まされている参加者20名は、残念なことに自殺をしました。
これにより、常に睡眠に問題のある人たちは自殺するリスクが1.4倍高いということがわかりました。

睡眠不足の影響を最も受けやすいのは85歳以上の白人男性で、自殺率の上昇と睡眠不足は、高齢による健康問題やストレスに関係していると科学者は起因づけられました。

これらは研究から明らかになった睡眠不足による、肉体的・精神的悪影響の中でも深刻なものの一部にすぎません。
睡眠薬を用いなくても、良質な睡眠を実現する方法はたくさんあります。
気ぜわしい現代社会では、つい睡眠時間を削っていろいろなことをしようと頑張りすぎることもよくありますが、せめてたまにはゆっくり寝る日もあってもいいのでは?

 

【参考】http://www.healthyfoodhouse.com/6-diseases-lack-sleep-causing/

www.medicaldaily.com
www.healthyfoodplans.net
healthytipsworld.com

 

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