自分の直感に頼る〜鍼灸マッサージ師として、多くの患者や症例を通して積んだ経験から思うこと〜

直感

私は、自分がトリニティーのライターだということを忘れがちで、最近は届くメールをろくに読まないこともあった。

しかし、今回のメールはなぜか中身を確認しなければという気がして、開いてみると「直感」がテーマの執筆依頼だった。
まさに直感が働いた、というところだろう。

私は元来「考える前に動く」タイプで、物事をあまり論理的に考える方ではない。
そのため失敗した事も多々あるが、直感はそんな私の助けになっていると感じている。

直感

 

私は、鍼灸マッサージ師として体調が悪い人の治療や身体のメンテナンスを25年以上に渡り行っている。

治療院に来られるのは、西洋医学的には異常がない方が多い。
腰や肩が痛くて病院へ行き、検査をしてみても特に悪いところはない。
対症療法で薬を処方されても改善しない。
夜眠れない、お腹の調子が悪い、常に身体がだるいなど、いわゆる不定愁訴のある方が多いが、皆さん長年苦しんできた症状をジェスチャーを交えながら切々と訴えられる。

まだ経験の浅いころ、私はそれを全部受け止めて、なぜ悪くなったのか、なぜ良くならないのかを患者さんと一緒に考えた。
以前はそれでほぼ解決していたが、うまくいかないことが多くなってきた。
身体の状態の悪い例が増えてきたからだ。

患者さんの身体を解剖学的に考えたり、問診をより細かく行って原因を追及した。
しかし、それでも芳しい結果が出ないこともある。

直感

 

そんな時、私は自分の直感に頼った。

患者さんのおっしゃる事だけでなく、自分の直感で不調の原因を探るようにしたのだ。
それは効果があり、うまくいくことが増えた。

この場合の私の直感は、長年の経験の蓄積によるものだろう。
一般的な解釈とは違うかもしれないが、直感は長年の経験や考察により自然と向上していくものではないだろうか。

直感とは、全くの当てずっぽうとは違う。
何をするにしても、やはり最初は物事の基礎を学び、自分なりに思考力を高める努力をすべきだろう。

そうすることにより、直感力は磨かれるのではないか。

 

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