針灸師が答えます。猛暑になりそうな今年。今からできる夏バテ対策とは? 

自力で回復できない時には鍼灸や整体で治療してもらい、自律神経がうまく働くようになれば、夏バテ解消の手助けになるでしょう。

だんだん暑くなってきましたね。「だるい」「疲れやすい」「やる気が出ない」「食欲がない」「眠れない」など、いわゆる夏バテといわれる症状に悩まされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

夏バテの原因はいくつかありますが、まず考えられるのは室内外の温度差によって自律神経のバランスが崩れてしまうことでしょう。

私たちは普段の生活で冷房がきいた屋内と暑い屋外を行き来することで、体に急激な温度変化を与えています。そのため、体の血管が開きっぱなしになったり縮みっぱなしになったりすることにより、自律神経の失調が起こることがあります。

人間には体温を一定に保っておこうとする働きが備わっており、自律神経によって調整されています。暑ければ血管を拡張させて体温を下げようとし、寒ければ血管を収縮させて放熱を抑えようとします。自然界では 急激な温度変化はあまり起こらないことなので、人間の体はそれに耐えられるようにできていません。体に変調をきたさない家内外の温度差は5°Cくらいだと言われており、冷房のきかせすぎには注意が必要です。

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夏バテに効果的なお風呂の入り方

自律神経の働きを正常に戻すには、ぬるめのお湯での入浴が効果的です。38°Cくらいのぬるめのお湯に20~30分くらいゆっくりつかることにより、副交感神経が優位になり体がリラックスします。熱すぎるお湯は交感 神経を興奮させ、逆効果になってしまいすのでご注意ください。

 

効果的な水分補給の仕方

夏は汗をたくさんかくので、水分補給も十分にしないと脱水症状を起こし、体内の水分と電解質のバランスが崩れたり、血液粘度が増したりして体調を崩します。水分補給で気をつけなければならないのは、利尿作用を促してしまうものがあることです。アイスコーヒーやビールなど、カフェインやアルコールを含んだものがそれで、これらの飲み物は水分補給には向きません。冷たい飲み物を大量に飲むのも胃腸の働きを悪くしてしまうため良くありません。冷たすぎない水や麦茶などを、少しずつ飲むのが良いでしょう。

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食事の注意点

汗をかくと体内のビタミンやミネラルも一緒に排出されてしまいますので、それらを十分に補給する必要があります。体の代謝をスムーズにし、疲労回復を促進する働きのあるビタミンB1は特に重要です。ビタミンB1は豚肉などに多く含まれます。清涼飲料水を飲みすぎるとビタミンB1が消費されてしまうのでほどほどにしましょう。
運動などにより人より多く汗をかく方は、ナトリウムの摂取にも気をつけなければなりません。ナトリウムは交感神経を働かせる作用に関係しますので、不足すると「やる気が出ない」などの原因になりがちです。梅干にはナトリウムとともにクエン酸が含まれ、疲労回復に役立つのでおすすめです。他には良質のたんぱく質や適度の脂肪も摂る必要がありますので、肉・魚・野菜などをバランスよく食べましょう。また、食事の時に水分を摂りすぎると消化が悪くなることがありますので注意が必要です。

 

要点をまとめると、下記のとおりです。

●疲労を回復させるために、良質のたんぱく質・ビタミン・ミネラルを十分に摂る
●水分摂取に気をつけ、水や麦茶などをこまめに少量ずつ摂る
●室内外の温度変化に注意する

以上のようなことは、一般的に言われていることなので、注意なさっている方も多いと思いますが、それでも夏バテしてしまうという方は、体が固まりすぎたり内臓の働きが弱りすぎているのだと思われます。自力で回復できない時には鍼灸や整体で治療してもらい、自律神経がうまく働くようになれば、夏バテ解消の手助けになるでしょう。

 

東江英行
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