メディスン・ホイールは、アメリカ・インディアンが「この世は4つのものに分類される」という考えのもと、丸の中に十字を入れた形のものを、儀式のときに石を並べて作っていました。
つまり、この世に存在するすべてのものが循環し、ひとつの輪になっていることを表しているものなのです。
十字は神聖な数であり、丸の中にはめ込まれた十字は4つのバランスや調和をあらわします。
4つの方角を表す「東西南北」、4つの季節を表す「春夏秋冬」、人間の一生を表す「誕生、成長、老年、死」などです。
この考え方は、丸の中に十字を描いたケルト族、チベットの曼陀羅絵などにも共通して見られる考え方なのです。
メディスン・ホイールの概念
ネイティブ・アメリカンは、『この世に存在しているすべてのものすべてに、生命が宿っており、宇宙の「永遠なるもの-グレイト・スピリット」と繋がっている』と考えています。
この考えのもとに、人間はこの世にあるものすべてと調和し、輪を描いて生きていることを表しているのがメディスン・ホイールなのです。
つまり人間の人生は、宇宙や自然と絡み合いながら、織物を織りあげるようにお互いにかかわりながら生きているという考えなのです。
メディスン・ホイールを知ることで、自分が生まれてきた使命や、運命なども理解することができるようになると言われているのです。
メディスン・ホイールの使い方
では、メディスン・ホイールはいったいどのようにして使うのでしょうか?
実際に私たちはメディスン・ホイールを簡単に使いこなせるかと言われれば、答えはノーです。
丸の中の十字で分類された4つの部屋には、実に奥深く細かい内容が込められているため、すぐに読解するのは残念ながら無理があります。
もともとメディスン・ホイールは石を使って大地に描き、インディアンのメディスン・マンが描かれたメディスン・ホイールの中で、どの場所が最もパワーがあるのかを示すのです。
それがあなたにとって、ある時、ある方角で自然界のパワーによってあなたに起こる変化を示し、それをメディスン・マンが読み解いてくれるというわけです。
また、メディスン・ホイールは宇宙をも包み込む大きな輪であり、この輪の中に入って瞑想すれば、宇宙への扉がひらいて、ハイヤーセルフと繋がり、神秘的な体験をすることができると考えられているものなのです。
メディスン・ホイールを作るには
もし自分でメディスン・ホイールを作ってみたいなら、きれいな小石を川などで集め、中心にパワーストーンを置いて、小さなメディスン・ホイールを作りあげてみてください。その前で瞑想をすれば、いつもと違ったパワーを感じるのではないでしょうか?
また、もっと簡単にメディスン・ホイール感じたい場合は、部屋の中にぶら下げたり、ペンダントのようにしたりして使用できるメディスン・ホイールを自分で作ることも可能です。
時々、インディアン・グッズのドリーム・キャッチャーの一番下あたりに、このメディスン・ホイールがぶら下がっていることもあります。
ただしこのように飾りのようにして使うメディスン・ホイールは、本来はバッファローの皮を使って丸に十の字の形を作り、そこにヤマアラシの針に着色して十の字のところに巻き付けて作りますが、これは日本で作るにはほぼ不可能です。
従ってプラスチック、針金、金属など手にはいる素材で丸に十の字の形を作り、そこに鳥の羽根の羽軸を染めたり、あるいは皮紐などを巻き付けて作り上げることならできると思います。
十字の色は、地球上に存在する4つのもの、方角、人種、季節などを表す色として、黒、黄色、赤、白が用いられます。
本来の材料とは違っても、自分が使うために心を込めて作れば、その思いは宇宙へ、神へと繋がってゆくのです。それによって自分の内側にあるものへの気づきも起こりはじめるのです。
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