大国主大神の国造りを手伝った小さな神・少彦名神。
その少彦名神が常世へと旅立ったと言われる場所が鳥取県米子市にはあります。
そこは粟島という中海に浮かぶ小島で、小島の山全体が御神体であったそうですが、江戸時代中期頃に新田開拓で地続きになり、現在では彦名干拓地の中にポツンとある小山のようです。
今回は、そんな少彦名神を祀る粟島神社をご紹介していきたいと思います。
少彦名神からの挑戦状!?
真っすぐな参道を歩き進むと、遠目に小山に見えていたものが、ドーンとと迫り。
社叢でもあるこの森はスタジイやタブノキやモチノキなど様々な木々が豊かに茂り、そこにだけ人の手が入らず神代からタイムスリップしたかのように取り残されています。
どんな神社が待っているのか、ワクワクしながら階段を足取りも軽く駆け上がりたいところですが……。
なんということでしょう! このそびえ立つような長い階段!
この階段を見ただけでも、意欲は失せ、階段下の遥拝所で参拝を済ませてしまおうか……などと考えた私でしたが、
『君は本当にそれでいいのかな?』
と、そよ風に乗って少彦名神の声が届きます。
(いや、良くはない……よね。だって、粟島神社に参拝するためにここへと来たんだもの。)
自分の足元をじっと見つめた後、意を決して階段を見上げます。
なんだかこの小山みたいな粟島が、少彦名神の化身に見えてきました。
(今、私は少彦名神に試されている……!)
さあ、私は少彦名神の試練に立ち向かえたのでしょうか⁉︎
続く。
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