ほんとうは宇宙的な節分の由来〜古文書にある「年内に為す事」として、新しい春を迎える前の節分に為すべきことが伝えられています。

ある時、オオクニタマノカミとオモイカネノカミが、人々の暮らしのなかで年内に為すべきことを取り決めるために、タカミムスビノカミがなしたことを倣いとしました。
その理由はこういうものでした。

・エトの”ヱ”は、北の真ん中の神であり、陽の通り道を注ぎ込み地球の傾きを北に戻す
・陽を地に封じてもまだ陰が優勢となるので”ト”の霊を祀る新嘗祭を行う
・年がおしせまると陽が地中に満ち、木々の根は潤おう
・このとき地表はまだ冷たいのに、ついには陽が猛る。しかし地上の空気はまだ冷たく芽がでない
・節分には、満ちた陽が地上に芽吹いて力強く柱のように育つよう、ゐり豆打って鬼やらいをする
・ひいらぎ、イワシ、ほなか、ゆつりは、しめ飾り

 

太陽の通り道に神社が建っているわけ

太古の天体観測所であるともいわれる、岐阜の金山巨石群など、季節ごとに変化する太陽高度を計測し、春分、夏至、秋分、冬至をはかり、カレンダーとしていたという研究が進んでいます。

神社同士をつなげると、冬至の日の出の道に建っていたり、岩の隙間から春分の日にしか見えない日の出が輝くという不思議な造形も、「地球軸のずれを修正するため」の祭事場であったのかもしれないのです。

つまり、「鬼やらい」を行う節分行事も宇宙的視野がなければ考えつかない行事(嘗め事)だということができます。

 

社寺の節分祭で行われること

今でも11月下旬、冬至がやってくる前に新嘗祭が行われています。
太陽暦の新年を挟んで、立春という本当の新年の前の夜は、日をまたいで寝ずに鬼(疫病、厄)を家に入れないように守ります。

節分行事はお寺では厄年の男女をメインとして御祈祷や豆まきなどが行われ、神社では還暦や喜寿などの年祝いと共に厄年の御祈祷やすべての人に対して一年の役を祓う御祈祷が行われることが多いようです。

東京の五條天神社(ごじょうてんじんしゃ)では、うけらの神事として節分の古い行事を行っています。
埼玉県の三峯神社の節分は「ごもっとも神事」として名を馳せています。
また、滋賀県の多賀大社では還暦の方々による豆まき祓い式が行われますし、名古屋の大須観音では「宝船行列」に七福神を始め、還暦・喜寿の方々、ミスの女性など総勢200名のパレードが市中を練り歩き、観音様に到着すると豆まきを行い鬼やらい式で幕を閉じる華やかなお祭りです。

このように多くの神社・お寺で節分のお祭りが開催されています。
2019年の恵方である東北東にある神社やお寺に行きお豆を打って、楽しく厄払いするのもいいですね。

 

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