亡くなった人と会話する人たち〜すべてはラウディヴの死から

ルクセンブルクのMは、ドイツのケーニッヒが主催するEVP研究会に出席するうちに段々と鮮明な声を受け始め、次にラジオで、ラウディヴと高次存在たちの声を受けます。

あの世からの電話は1990年代に、世界的に広がりを見せました。
現在でも続いていると確認できるのはブラジルの研究者だけですが、この一連の流れの中で、ラウディヴはいつも「向こう側」の研究者として、重要なポジションを占めてきました。

 

ラウディヴの死

電話で霊と会話したのではないかという記録は、かなり昔からあり、1979年に出版された「Telephone Calls from the Dead(死者からの電話)」に初期の事例が載っています。
しかしこうした交信方法が意図的に用いられ、そして発展するようになったきっかけは、1974年にEVPの父とも言えるラウディヴが亡くなったことです。

彼が亡くなってから、欧米各地で「あれほどの研究者なら絶対連絡してくるはずだ」と思いながらEVP実験をする人がたくさん出てきました。
実際、ラウディヴと名乗る声はいろいろな研究者のテープや電子機器に現れ、後のITC研究において彼は、アストラル界中層に存在する送信ステーションである「タイムストリーム」と、この世との交信を取り次ぐ役目をすることになります。

ITCの発展は、ラウディヴの原書が書かれたドイツ語を常用語とする地域から始まりました。
ドイツのハンス=オットー・ケーニッヒはカスタムの電子機器を用いていち早く双方向通信を成し遂げ、1983年、ラジオルクセンブルクでそれを実演しました。
アナウンサーのホルベは彼と周りの人たちが聞いたことに震え上がり、こう述べています。

「ラジオルクセンブルクを聞いてくれている皆さん、私はごまかしなど何もなかったことを末代まで誓います。トリックなどではありません、確かに声です。我々はどこからそれが語りかけているのか分かりません」

ラジオ局は後に、番組はすべての段階において慎重に監督されていたという公式の声明を明らかにしました。
スタッフと技師は声が超自然的だったことを確信したのです。
特に「私はラウディヴです」と述べる、博士の独特な声が録音されたのは重要です。

 

ラジオからテレビ、そして電話へ

ラウディヴの著書を読み、ラジオルクセンブルクの放送を聞いていた人たちが、1980年代にどんどん成果を挙げ始めます。
研究者クラウス・シュライバーはEVP実験で得てきたあの世からの指示に従って機器を設定し、テレビで超常的な画像を受け始めました。
ちなみにこれが、彼が最初に受けたテレビ画像で、亡き娘さんが映っています。

ルクセンブルクのMは、ドイツのケーニッヒが主催するEVP研究会に出席するうちに段々と鮮明な声を受け始め、次にラジオで、ラウディヴと高次存在たちの声を受けます。
彼女はタイムストリームからの交信を受ける中心人物となり、交信はやがて電話に発展してきました。
ドイツのアドルス・ホームズは、タイムストリームと協力関係にある「ステーション・リヴェニッヒ」と交信を発展させました。

次回はそういった交信が、確かに不思議な、説明できないものだというのを確認した話を紹介しましょう。

今回は最後に、ラウディヴのウィットに富んだ会話を紹介します。

アメリカEVP協会の創始者であるサラ・イーステップがラウディヴから電話を受けたとき、彼女はいつものように「How are you?」と言いました。

これは「最近どうしてる? 元気?」みたいな英語の決まり文句ですが、それにラウディヴはこんな感じで答えました。

「死んだ人間としては最高に元気です」

 

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